種別 論文
主題 高炉水砕砂を使用したコンクリートの諸性状に関する実験研究
副題
筆頭著者 植田紳治(木更津工業高等専門学校)
連名者1  
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
1
0
先頭ページ 197
末尾ページ 200
年度 1979
要旨 1.まえがき
 近年、省資源、省エネルギーの立場から産業副産物の有効利用の機運が高まり、その1として、高炉で銑鉄を製造する際に発生する高炉スラグの有効利用に関してもその研究が活発になされている。
1977年にはJISA5011として「コンクリート用スラグ粗骨材」が新たに制定され、それに伴って土木学会から高炉スラグ砕石コンクリート設計施工指針案が発表された。しかし、高炉スラグのコンクリート用材料としての有効利用については、細骨材や混和材としての利用もあり、これらについてはまだいろいろと不明の点や問題点も多く残っており、今後の研究が必要とされている。筆者は数年前より高炉水滓のコンクリート用細骨材への利用に関する実験を行なってきた。先ず、製鉄所で試作製造された硬質水滓や軟質水滓の物理的性質と水滓の粒度、粒形がモルタルの流動性やワーカビリチー、曲げおよび圧縮強度におよぼす影響を明らかにし、また、試的にロサンゼルス試験機で粉砕加工した水砕砂を用いてモルタル実験を行い、粉砕加工の効果について報告をした。また、ロッドミルで粉砕加工した水砕砂を用いたコンクリートの諸性質について、特に強度、弾性、およびコンクリートの諸性状に関して基礎的なデータを得る目的で、ロッドミル加工した水砕砂の他に粉砕加工の方法の異なる水砕砂を用いたコンクリートや、自然砂との混合砂として用いたコンクリートに関しても、ワーカビリチー、コンシステンシー、ブリージング等のフレッシュコンクリートの性質や硬化コンクリートの強度、弾性、乾燥収縮について山砂コンクリートと比較検討したものである。
5.むすび
 高炉水砕砂をコンクリート用細骨材として用いる場合、水砕砂の粉砕加工の方法、程度がコンクリートの諸性状におよぼす影響は大きく、重要となる。本実験の範囲からは、特に単独で利用するときは、単位水量、ワーカビリチー、ブリージングおよび強度の面から粗粒率が水砕砂III程度即ち2.5以下が望ましい。と思われる。これより大きくなると単位水量の増加が著しく、W/Cが大きくなると、その傾向はいっそう顕著となりワーカビリチーが非常に悪くなるようである。しかし自然砂との混合使用はフレッシュコンクリートの性状の改善や強度特性からも有効と思われるが、この場合も水砕砂の粗粒率は2.7程度までの粉砕加工は必要と思われる。なお混合砂としての利用は粉砕費用の軽減、自然に硬化する現象の問題点の解決の一方法ともなるので現在継続して検討中である。
PDFファイル名 001-01-0050.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る