種別 論文
主題 鋼繊維補強コンクリートの層状変化による強度特性
副題
筆頭著者 中内博司(間組技術研究所)
連名者1 松垣光威(間組技術研究所)
連名者2 竹内恒夫(間組技術研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 445
末尾ページ 448
年度 1979
要旨 1.まえがき
 膨張性地山におけるトンネル掘削では、掘削直後に大きな地圧が支保工に作用するため、一次ライニングに普通コンクリートを用いる場合、膨大なライニング厚を要したり、特殊な工夫が要求されることがある.鋼繊維補強コンクリート(以下SFRCと略す)は、普通コンクリートに比べて、曲げやせん断強度が強いなどの利点をもっており、特に掘削直後のトンネルの一次ライニングにSFRCを用いると、その特長を十分に活かすことができる。また安全面でもSFRCは、普通コンクリートのひび割れに対して大巾な改善が可能であるなどの優れた特長がある他、SFRCを吹付けに用いるとトンネルに作用する外力に対し、鋼繊維が最も効率よく配置されることがわかっている。しかしながらSFRCは普通コンクリートや鉄筋コンクリートに比べて、材料が高価であるため特殊な事情を有する場合を除いて、あまり積極的に用いられず、これがSFRCの普及に大きな障害となっているのが現状である。
 本報文は、普通コンクリートの弱点にSFRCを局部的に利用することによって、SFRCのもつ優れた特長を損なうことなく、しかも経済的な施工が可能かどうかを検討するために行なった室内実験について、その結果と二・三の考察を述べたものである。
5.あとがき
 一般にトンネル掘削直後の壁面は凹凸が多く、このような面に直接コンクリートを吹付けると、初期の状態ではコンクリート中の粗骨材のはね返りが極めて多く不経済である。同様にSFRCの吹付けについても同じことが言え、初期の状態では鋼繊維のはね返り率が高い。しかし、これらの状態も吹付け厚5cm程度を境にはね返り率が極耐に少なくなることがわかっている。したがって、トンネル掘削後の壁面の凹凸による応力集中を防止する意味と、SFRCの吹付けによるはね返り率を低減する意味から、初期の状態では、はね返り率の比較的少ない普通コンクリートを吹付けた後、引続いてSFRCを吹付けるような施工法、すなわちサンドイッチタイプによるトンネルのライニングを行なえば、SFRCのもつ特性を活かし、かつ経済的な施工が可能になるものと思われる。
 本報文は、文中にも述べたように特定の実験方法で行ない、しかも少ない実験データから結果を述べている。したがって、今後、この種の実験を続けていく上で内容を修正することがあるかも知れないが、筆者らはSFRCの局部的な使用、特にトンネルへの適用についてある程度の傾向がえられたものと思っているので、賢明な各位の卒直な意見を賜わりたいと考えている。
PDFファイル名 001-01-0112.pdf


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