種別 論文
主題 収縮低減剤を用いたコンクリートの耐久性に関する検討
副題
筆頭著者 藤原 浩巳(日本セメント中央研究所)
連名者1 富田 六郎(日本セメント中央研究所)
連名者2 下山 善秀(日本セメント中央研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 37
末尾ページ 42
年度 1988
要旨 まえがき
低級アルコールアルキレンオキシド付加物を主成分とする収縮低減剤(以下単に低減剤と呼ぶ)を使用したコンクリートは、乾燥収縮が小さくなり収縮ひびわれの防止に対しても効果的であることがこれまでの研究で明らかになっている。しかし耐久性に関しては、低減剤を使用したコンクリートにAE剤を添加して空気を連行しても、コンクリートが完全に飽水した状態ではASTM−C666に準拠した水中急速凍結融解試験を行うと、十分な耐久性を示さないという報告があるが、まだ十分な検討が行われていない。本研究は、低減剤を用いたコンクリートの凍結融解抵抗性について、空気量、湿潤状態、添加量等の種々の条件を変えて試験を行い検討を加え、かつ実際の寒冷な気候条件下に5年間暴露した供試体の評価結果について報告するものである。
まとめ
乾燥収縮低減効果を有するA剤およびB剤を混和したコンクリートの凍結融解抵抗性について、主に飽水状態、空気量等の影響を中心に検討を加えた。凍結融解抵抗性の機構について、まだ解明すべき検討課題は多く残されているが、本実験の範囲では次のことが認められた。1)A剤を混和したコンクリートは、空気量を5%以上とすると気泡間隔係数が200μm程度となり、飽水状態でも十分な耐久性を示すが、B剤を混和したコンクリートは空気量を5〜6%としても耐久的ではない。これは、B剤を混和したコンクリートの毛細管間隙水の凍結融解時における諸物性が一般のコンクリートとは異なるためと推測される。2)B剤を混和したAEコンクリートは、飽水度の低下や、混和量の減少に従い耐久性指数は増加する。これら耐久性に影響を及ばす要因のなかでは飽水度の影響が卓越しており、限界飽水度以下であればB剤を混和しても耐久性指数は大きくなる。3)NON-AEコンクリートでも飽水度が低い場合、耐久性はかなり向上する。またB剤の混和量の違いにより耐久性指数に若干差が見られるが、これは吸水速度の差等に起因していると思われる。特に混和量が多い場合、吸水速度が遅くなり飽水度の増加を遅らせると考えられる。4)B剤を混和したコンクリートを、寒冷地の屋外に5年間暴露した結果、約450回の凍結融解サイクルを受けたが劣化傾向を示さなかった。自然環境は常にコンクリートを飽水させる状態ではなく、また、凍結融解速度も緩慢なためASTM法で耐久的ではないと判断されるコンクリートも十分な耐久性を示すと思われる。
PDFファイル名 010-01-1007.pdf


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