種別 論文
主題 RCボックスカルバートの温度応力に関する研究
副題
筆頭著者 名和 修司(矢作建設)
連名者1 岩山 孝夫(矢作建設)
連名者2 梅原 秀哲(名古屋工業大学)
連名者3 吉田 弥智(名古屋工業大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 181
末尾ページ 186
年度 1988
要旨 まえがき
最近、上下水道の水槽やボックスカルバート等の鉄筋コンクリート構造物においても、温度応力が原因となるひびわれが問題となっている。このような壁状構造物の温度応力を求めるには、壁面からの熱伝達の影響を考慮した三次元解析などを行わなければならない。しかし、JCIマスコンクリート温度応力研究委員会が提案したCompensation Plane(以下CP法と言う)は、断面内の温度解析を行うことによる二次元的な取扱いだけで応力が求められるため、その簡易性と実用性から多く使用されている。このように解析手法は十分に開発されたが、有限要素法、CP法いずれにおいても、温度応力を計算する際に必要となるコンクリートの若材令時のクリープを考慮したヤング係数の値、および地盤等の拘束体による外部拘束状態の程度を表す拘束体のヤング係数の値などがまだ正確に解明されていない。土木学会コンクリート標準示方書(以下示方書と言う)では、若材令時のヤング係数を材令3日までと3日以降に分けて式を提案しているが、この式を用いると実際の応力に比べかなり大きめの値が求められるようである。また、示方書では、外部拘束係数を構造物の形状および構造物と地盤のヤング係数の比により求める方法を提案しているが、地盤のヤング係数の正確な値を求めることは不可能に近く、岩の種類によって推定しているのが現状である。そこで、本研究は、鉄筋コンクリートボックスカルバート(以下RCボックスカルバートと言う)のコンクリート打込み直後からの長さ方向の変位と温度応力を推定することにより、変位から地盤の外部拘束係数を求め、さらにこの係数を用いて温度応力を推定することにより、示方書で提案しているコンクリートのヤング係数が、実測値に対してどの程度大きめに評価しているかを検討したものである。
結論
本研究で明らかになったことをまとめると以下の通りである。1)本研究で対象とした長さ200mのRCボックスカルバートにおいて、温度および応力の実測結果より、長さ方向にほぼ均一にひずみが分布することが確認された。この結果と長さ方向の変位の実測結果より、N値50の基礎地盤のヤング係数の値が約5000kg/cm2であることが明らかとなった。2)本研究で対象とした構造物では、温度応力算定に用いるコンクリートのヤング係数の値を示方書に提案されている値に対して、最高温度に達するまでは約4割、最高温度に達した後は約2割低減した方が、実際の応力の傾向を良く表すことが明らかとなった。
PDFファイル名 010-01-1032.pdf


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