種別 論文
主題 高強度コンクリートの物性に及ぼす各種要因の影響
副題
筆頭著者 橘 大介(清水建設)
連名者1 西田 朗(清水建設)
連名者2 今井 実 (清水建設)
連名者3 鈴木忠彦(清水建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 203
末尾ページ 208
年度 1988
要旨 まえがき
近年、北米を中心に超高層鉄筋コンクリート建築物やプレストレストコンクリート橋に、部材断面の縮小や鉄筋量の低減を目的として、高強度コンクリートが頻繋に使用され、コンクリートの設計基準強度も1000kgf/cm2程度にも達するようになってきた。日本においても高強度コンクリートの歴史は古く、吉田博士が加圧締固め方法により標準水中養生した材令28日のコンクリートで圧縮強度1050kgf/cm2を得たのは昭和10年代のことである。その後、高性能減水剤の開発・発達に伴ない、設計基準強度600kgf/cm2以上の高強度コンクリートを用いたプレストレストコンクリート橋が昭和40年代後半に建設されるようになった。建築物においても設計基準強度420〜480kgf/cm2程度の高強度コンクリートを用いた高層鉄筋コンクリート建築物が出現し始め、都市部の土地事情とも相まって今後ますます建築物の超高層化に伴うコンクリートの高強度化が考えられる。さらに、シリカフュームのような新混和材料、高降伏点鋼材や新構造形式の開発・発展により高強度コンクリートの適用範囲は拡がるものと予測される。本研究は、このような状況に鑑み、圧縮強度1000kgf/cm2程度の現場打ちコンクリートを対象として、使用材料の種類・組み合わせおよび調合条件がコンクリートのワーカビリチーや圧縮強度等にどのような影響を及ぼすかを実験的に検討したものである。
まとめ
本実験で得られた結果をまとめると、以下に示すとおりである。(1)高強度コンクリートにシリカフュームを使用すると、練りまぜを容易にし、混和剤の使用量を低滅できる効果があり、この傾向は水結合材比が小さくなるほど顕著になる。(2)流動化後90分経過したコンクリートのスランプロス量は2cm程度であり、かなり長時間、ワーカビリチーの低下を抑えることができた。(3)シリカフュームを混入し富調合低水結合材比としたコンクリートは、施工性確保の観点から目標スランプを23cmとしても材料分離は極めて少ない。(4)水結合材比25%程度で、材令28日圧縮強度1000kgf/cm2以上が確保できるとともに、ばらつきの小さいコンクリートを製造することができた。(5)シリカフュームに加えて高炉スラグ粉末を高混入率で使用したコンクリートにおいても、長期材令で圧縮強度1000kgf/cm2以上の高強度が得られ、各種物性の改善・向上を目的としての使用が充分考えられる。今後は、乾燥収縮、クリープ、水和発熱、耐凍害性、耐火性等の諸物性や実施工時の施工性ならびに品質管理等に関して検討する予定である。
PDFファイル名 010-01-1036.pdf


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