種別 論文
主題 AE法による二次元破壊進展位置標定を用いたコンクリート割裂試験の破壊挙動に関する研究
副題
筆頭著者 川上 秦司(東京大学)
連名者1 魚本 健人(東京大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
10
2
先頭ページ 385
末尾ページ 390
年度 1988
要旨 はじめに
AE(ACOUSTIC EMMISION)法は、物体の破壊が進行していく過程で放出される弾性波を検出し、その弾性波が持つ数々のパラメータを用いて物体を非破壊的に検査する手法である。コンクリート分野でもこの手法は確立されつつあるが、いまだ未解決の問題も多い。コンクリート分野におけるAE法の適用例として、複数のAE変換子への到達時間差を用いて、AE波発生位置を標定し、破壊進展位置を推定する方法がある。また、AE法は物体内部の破壊を、動的にかつ微視的に追跡することができ、さらには、一瞬で起こるような破壊を調べる場合にも有効であることから、AE法によって新たな知見を得ることが可能であると思われる。そこで本研究では、AE法という新しい観測手法に着目し、二次元位置標定方法の精度について検討した後、コンクリートの引張強度を求める方法として広く用いられている割裂試験方法を取り上げ、AE法による二次元位置標定を行った。その際、諸外国で採用されている加圧盤と供試体の間に分布板をはさむ割裂試験方法と、JISで採用されている分布板をはさまない割裂試験方法との比較も行った。そして、最後に割裂試験における破壊進展位置をFEM弾性解析によってシミュレートした。
まとめ
1)AE法を用いた二次元位置標定によって、割裂試験のように一瞬で起こる二次元的な破壊位置を追跡することが可能となる。2)二次元位置標定において完全に誤差をなくすことは不可能であるが、AE波の振幅またはエネルギーで補正したり、振幅の大きいAEのみを計測することによってこの誤差を小さくして行くことは可能である。3)AE法による二次元位置標定から、分布板を用いた割裂試験と分布板を用いない割裂試験では明らかに違う破壊挙動が認められた。すなわち、ア)分布板を用いた場合、ほぼ上下対称に±0.3d付近で破壊が開始し、一気に破壊が進展する。イ)分布板を用いない場合、強度の違いによってAE標定図に違いが認められた。すなわち、強度が弱い場合では分布板を用いた場合とほとんど同じであるのに対して、強度が大きい場合では、上下対称に破壊が進展していかず、初めに上下のうち片方の破壊が徐々に進展して行くことが認められた。4)AE計測結果を確認するためにFEM解析を行った結果、破壊開始位置が中央でないこと、分布板を用いた場合は破壊が一気に進展するのに対し、分布板を用いない場合では荷重の増加と共に破壊が進展して行くことが確かめられた。
PDFファイル名 010-01-1068.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る