種別 論文
主題 アルカリ骨材反応に及ぼす乾湿繰返し作用の影響に
関する研究
副題
筆頭著者 西林新蔵(鳥取大学)
連名者1 矢村 潔(鳥取大学)
連名者2 林 昭富 (鳥取大学)
連名者3 今岡伸二(鴻池組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 789
末尾ページ 794
年度 1988
要旨 まえがき
アルカリ骨材反応によるコンクリート構造物の損傷は、反応によって生成した物質の膨張に起因するものであるが、実際に膨張が現われるまでにはかなりの時間を要し、しかも例え膨張が発生してもコンクリートにひびわれ損傷が生ずるか否かは、コンクリート構造物の強度やそれが置かれている環境などの各種の要因によって影響される。アルカリが骨材反応によるコンクリート構造物のひびわれ損傷は、乾湿の繰返しを受ける部分、長時間日照を受ける部分、排水溝、ダムなどのマッシブな水理構造物等水が十分に供給され、かつその水分が蒸発しやすく、アルカリが濃縮される箇所に多く認められている。本研究は、アルカリ骨材反応によって生ずるコンクリートのひびわれ損傷のうち、環境条件による影響を明らかにせんとする研究プロジェクトの一環として計画したものである。すなわち、反応性骨材を用いたコンクリート供試体を乾湿繰返し環境下に置いたとき、供試体がどのような挙動を示すかを実験的に検討し、その損傷の程度を評価するものである。
まとめ
本研究は、反応性骨材を使用したコンクリート供試体を乾湿繰返し環境下に置いたときその諸物性の挙動について検討したものである。以下本研究の結論とする。(1)乾湿繰返し環境下におけるコンクリート供試体の諸物性の挙動は、反応性骨材の混合割合、アルカリ含有量によって大きく異なる。(2)乾燥過程においては温度の影響がかなりあり、炉乾燥中(60℃)の供試体は気中(20℃)のものよりもアルカリ骨材反応による劣化が顕著である。(3)湿潤過程における浸漬水の影響は、本試験で採用した乾湿サイクル数(1サイクル:乾燥1日、湿潤1日、合計50サイクル)においては、水中浸漬の方が海水中浸漬よりも反応による劣化が著しい。(4)乾湿繰返し環境下でのコンクリートの劣化の程度は劣化指数(DW-DF)を用いることによってある程度評価できる。(5)乾湿繰返し処理1サイクルに相当する日数は7日となる。なお、今後、サイクル数、乾燥温度、湿潤方法を種々変えて試験を行うことによって、乾湿繰返し環境下におけるアルカリ骨材反応の全観が把握できるとともにこれを応用した促進試験方法の開発に発展させていきたいと考えている。
PDFファイル名 010-01-1141.pdf


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