種別 論文
主題 コンクリート橋診断システム構築におけるアンケート調査
副題
筆頭著者 宮本 文穂(神戸大学)
連名者1 西村  昭(神戸大学)
連名者2 山口 裕史(日本道路公団)
連名者3 本間 一郎((株)太陽神戸銀行)
連名者4  
連名者5  
キーワード
10
3
先頭ページ 75
末尾ページ 80
年度 1988
要旨 はじめに
コンクリート橋の維持管理の基本フロー「調査」→「診断」→「補修・補強」において、「診断」という行為は、「損傷程度(健全度)は?」「余寿命はあと何年?」「あと10年もたすための処置は?」という、橋梁管理者の最も関心のある点に明確な回答を準備することであると位置づけられる。本研究は、これらの出力が可能なマン・マシン高次診断システム(エキスパートシステム)の構築を目指す上で必要となる知識ベースの構築に橋梁診断の専門家、橋梁管理者、検査技術者への広範なアンケート調査結果を利用する手法を検討するものである。本研究では、まず一般的な橋梁診断過程「検査結果」→「損傷度の指標」→「橋梁の状態(耐用性:耐荷カ、余寿命)の推定」という変換過程には検査者、専門家等の主観的あいまいさが存在することを認めた上で、これらの抽出、定量化をアンケートの分析結果を利用して実行し、エキスパートシステムの知識ベースヘ移植することを試みた。ここでは、このようなシステム構築の核となる知識ベースの作成において、知識の表現にDempster&Shafer理論における基本確率を用いた。
結論
本研究は、「コンクリート橋耐用性診断エキスパートシステム」の開発を念頭に置き、橋梁診断に存在する主観的あいまいさの抽出方法とその取扱い手法について検討したものである。以下に得られた主な結果と問題点を列挙する。1)橋梁診断における専門家等の知識の主観的あいまいさの取扱い法としては、 Dempster&Shafer理論における基本確率として表現し、これらの知識を統合して評価を行なうことが可能である。2)診断における知識は、技術者集団からのアンケートによって定量化して知識ベース内に組込む手法を提案した。これにより専門家以外の人間が迷う事なくエキスパートシステムの知識ベースを構築することを可能としている。しかし、今回のアンケートでは、基本確率の要素となるsafe、moderate、danger等を式(6)に示す点数に固定し、各々に定性的表現の規定を与えているが、これらの表現や固定した点数(25、37.5、50、62.5、75)の正当性については、なお検討の余地がある。3)橋梁診断における技術者等の主観的あいまいさを上述のように表現し、これらのデータを基にコンクリート橋の桁の曲げひびわれを想定し評価を行なった結果、ほぼ妥当な評価を行なうことが可能であることがわかった。
PDFファイル名 010-01-2014.pdf


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