種別 論文
主題 鋼/コンクリート接合部の軸力伝達特性
副題
筆頭著者 小関喜久夫(鹿島建設技術研究所)
連名者1 古市 耕輔(鹿島建設技術研究所)
連名者2 坂野 一典(鹿島建設技術研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
10
3
先頭ページ 301
末尾ページ 306
年度 1988
要旨 はじめに
合理的な橋梁形式の一つとして、複合斜張橋が注目されている。代表的な複合斜張橋、中央径間を鋼桁、側径間をPC桁とし両桁を剛結する形式がある(図-1)この形式の複合斜張橋、地形上の制約等から中央径間を側径間に比して相対的に大きくする場合などに採用され、既に数橋の建設実績が報告されている。この形式の複合斜張橋の両主桁の接合部には、特に、剛性が急激に変化しないこと、及び力の伝達が滑らかに行われること、の二つの性能が要求される。このうち、急激な剛性変化を避ける構造としては、鋼桁部とコンタリート桁部間に鋼・コンクリート合成サンドイッチ構造部(鋼板間にコンクリートを充填した部分)を設ける構造が一般的であるが(図-2)、サンドイッチ構造の力の伝達特性については明確にされていないことも多い。一方、斜張橋の主桁は一般に箱桁断面であり、フランジ部やウェブ部に作用する支配的な断面力が軸圧縮力となる場合が多い。従って、鋼桁部〜サンドイッチ構造部、コンクリート桁部から成る接合部に対する要求性能は、次のように換言できる。a)大きな軸圧縮力が滑らかに伝達されること、b)過大な局部応力が生じないこと。この種の接合構造の軸力伝達性能に関する研究報告としては、田島らの研究があり、サンドイッチ部の長さ/厚さ比やスタッド取付けの有無等の影響を明らかにしている。しかしながら、この種の接合構造を合理的に設計するためには未解明の課題も多く、特に、接合部の構造詳細に応じた軸力伝達特性を的確に把握することが重要な課題となっている。以上の背景を踏まえ、鋼桁部〜サンドイッチ構造部〜コンクリート桁部から成る接合部の構造詳細が上記a)及びb)の要求性能に及ぼす影響を把握するために、一連の実験及び解析検討を実施した。本報文では、このうちの主たる検討内容について紹介する。
まとめ
実験ならびに解析検討の結果から、鋼桁部〜サンドイッチ構造部〜コンクリート桁部から成る接合部の軸力伝達特性に関して、以下のことがわかった。1)接合部の軸力伝達性能を向上させる上で、鋼部とサンドイッチ部の境界に正・背面のフランジ鋼板を直接結合する"S面プレート"を設けることが非常に有効である。2) "S面プレート"を設けた場合のサンドイッチ部下端における鋼粋と中詰めコンクリートの軸力分担率、両者の軸方向ひずみが等しいとして算出した軸力分担率(軸剛性比)にほぼ等しくなる。3)コンクリート部の局部応力低減対策としては、1)鋼枠下端へのベースプレートの取付け、2)コンクリート部正面の張出し、が有効である。4)鋼板下端に"ゴム"を取付けると、サンドイッチ部内の鋼枠から中詰めコンクリートヘの軸力伝達が促進され、コンクリート部の局部応力も低減される。しかし、ずれは増大する。
PDFファイル名 010-01-2055.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る