種別 論文
主題 鉄筋コンクリート部材の弾塑性応答性状に関する解析的研究
副題
筆頭著者 神田 亮(日本大学)
連名者1 白井伸明(日本大学)
連名者2 安達 洋(日本大学)
連名者3 佐藤稔雄(日本大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 313
末尾ページ 318
年度 1988
要旨 はじめに
激しい地震外乱を受ける構造物の耐震性能を評価するうえで、地震応答解析は有効な手段である。これを実施する場合、構造物を構成する各部材に対して単純な復元カモデルを仮定することが多い。しかし、鉄筋コンクリート(以下、RC)構造物、ひび割れの発生、鉄筋の降伏、付着すべりなど鉄筋コンクリートに特有な非線形性のため、複雑な弾塑性性状を示す。従って、特に損傷が集中する部材については、その履歴性状を正確に把握できない場合がある。本研究の目的は、こうしたRC部材の履歴性状を明らかにするため、地震時の繰返し外力に対する弾塑性履歴性状を正確に模擬しうる解析手法を確立することである。RC部材、特に、せん断挙動や補強筋の拘束効果が全体挙動を支配する部材の断塑性挙動を模擬する解析手段としては、2次元あるいは3次元の有限要素法が有効である。しかし、有限要素法の基礎となる2または3次元の既往の構成則モデルにより、繰返し荷重に対するRC部材の挙動を適切に再現し得るかどうかは、今のところ充分検証されていないように思える。本研究では、その第1ステップとして、対象を曲げ挙動が支配的なRC部材に限定し、1次元有限要素法によってこれを解析することにより、本手法の有効性を検証するとともに、RC柱の履歴性状について検討するものである。
結論
本研究では、曲げ挙動が卓越するRC部材に対する1次元有限要素法(弾塑性曲げ解析法)を提案し検討を行なった結果、次の結果が得られた。1)本研究で採用したエンドクロニック理論は、繰返し荷重を受けるコンクリートの応答履歴を再現する有効な構成則モデルであるが、繰返し載荷後の剛性及び耐力を、高く評価する傾向がある。しかし、損傷度を示す変数ηに修正を加えることにより、許容し得る応答履歴を再規できた。2)曲げ解析により求まるRC部材の全体挙動は、曲率が大きく集中する領域の要素分割法に大きく依存する。本研究では、最適な分割法を提案するに至らなかったが、要素の特に軟化域における応力-ひずみ関係は要素サイズに依存すると考えられ、エネルギー的な検討が必要と思う。3)軸力が作用するRC部材には、P-δ曲線にその影響が現われ、特に、大きな軸力が作用する場合には、この効果を考慮する必要があり、本研究の手法は有効である。4)本研究で提案した弾塑性曲げ解析法は、RC部材の静的並びに動的な履歴性状を把握するうえで有効である。しかし、除荷時の剛性を幾分高く評価する傾向があり、今後検討の余地がある。
PDFファイル名 010-01-2057.pdf


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