種別 論文
主題 FRPをせん断補強に用いたRCはりの破壊性状について
副題
筆頭著者 寺田年夫(鉄道総合技術研究所)
連名者1 鳥取誠一(鉄道総合技術研究所)
連名者2 涌井 一(鉄道総合技術研究所)
連名者3 宮田尚彦(鉄道総合技術研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 541
末尾ページ 546
年度 1988
要旨 はじめに
超伝導磁気浮上式鉄道用の構造物に鋼材を多量に用いた場合、磁気吸引カによる浮上カの減少、誘伝導流による磁気抗力の増大といった現象が生じ、車両の乗心地、電力設備等に影響を与えることが懸念される。こうした問題の対策の一つとして、近年、海洋構造物の補強材として開発された非磁性で電気抵抗の大きいFRP(Fiber Reinforced Plastics)筋の利用が考えられる。FRP筋は一般に鉄筋よりも弾性係数が小さく、破断ひずみも小さいが、強度は鉄筋と同等以上である。また、アラミド、炭素、ガラス繊維などの長繊維をハイブリッドとすることによって、ある程度の応力-ひずみ関係の制御、破断ひずみの増大が可能である。また、FRP筋自体の付着強度は小さいが、これを格子状に成形することによって交差部で定着を確保することができる。このFRP筋を利用したコンクリートはりの曲げ性状に関しては、小沢らによって検討され、その挙動は通常のRCの曲げ理論に適合するとされている。しかし、FRP筋を利用したはりのせん断性状に関しては、まだ研究が進められておらず、実際の構造物にFRP筋を利用するには、その性状を明らかにし、設計法を確立する必要がある。そこで本論では、まずスターラップと主筋の交差部を模擬した簡易なモデル試験により交差部の耐力を把握し、その補強方法を検討した。次いで、上記のモデル試験で検討した補強方法を用いてFRP筋を以下の2通りの方法に配置したコンクリートはりの載荷試験を行い、せん断性状を把握することとした。
まとめ
主筋、スターラップともすべてFRP筋とする方法・引張側の主筋を鉄筋とし、他はFRP筋とする方法結論FRP筋を用いたはりのせん断性状に関して実験的に検討して得られた結果を以下に示す。(1)スターラップと主筋の交差部を模擬して行った引抜き試験の結果、交差部の耐力はFRP筋の引張耐力の5割以下であった。この点を改良するため、スターラップに横筋を設けると引張耐力は母材強度程度まで改善される。(2)はりの曲げせん断性状およびたわみ性状は主筋の材質によって大きく異なる。FRP筋は、鉄筋に比べ弾性係数が小さいので、主筋としてFRP筋を用いると曲げ、せん断ひびわれ幅とも大きくなり、曲げ剛性の低下も大きくなる。(3)スターラップに設けた横筋は、せん断耐力の向上にある程度有効であったが、せん断ひびわれが主筋とスターラップの交差部付近を横切る場合には、交差部でスターラップが破断した。このため、スターラップの受持つせん断耐力は、トラス理論によって求めた値を下回り、交差部の補強法に関し、なお検討の余地があると考えられた。
PDFファイル名 010-01-2097.pdf


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