種別 論文
主題 高温下のコンクリートの水分逸散過程に及ぼす前養生条件の影響
副題
筆頭著者 三橋博三(東北大学)
連名者1 沼尾達弥 (茨城大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 229
末尾ページ 234
年度 1989
要旨 はじめに
コンクリート中の含有水量の増加及び減少は、コンクリートの膨張・収縮の直接的な原因となるばかりでなく、圧縮強度、ヤング係数又はクリープ挙動など他の力学的特性にも大きな影響を与える事が知られている。特に、コンクリートが高温下に曝される場合、100℃以上の高温下では勿論の事、100℃以下であっても、外部への逸散により含有水量の変化が著しく大きくなり、コンクリート中の含有水の逸散過程を考慮することなしに、その力学的挙動を説明することは困難となる。それ故、高温下のコンクリートの挙動を考える場合、含有水分の移動を適切に捉えることが重要な課題となっている。 しかし、コンクリート中の含有水の逸散過程は、温度及び細孔湿度の影響を強く受ける。また、水セメント比、骨材等のコンクリートの質によっても、逸散の傾向が異なることが報告されており、この過程は様々な要因によって影響を受ける複雑な現象である。 筆者らは、コンクリートの質の変化を、材料定数を変えることによって対応し、かつ有限要素法を用いて非線形拡散方程式を解くことにより、この複雑な現象を常温から100℃を超える範囲にわたって解析することが可能であることを示した。 本報告では、養生方法が異なる供試体を用いたSchwesinger(東独)の実験結果を、この解析手法を用いて解析し、養生方法の変化が、高温下のコンクリート中の水分逸散過程や、材料定数の一つである基準拡散係数に及ぼす影響についての検討結果を報告する。
結論
養生方法・期間が異なる供試体を用いた、高温下の水分逸散に関する実験結果の解析を行った。その結果以下の事が示された。 (1)28日間水中養生、及び7日間水中養生後21日間気中養生を行ったものについては、本報告による方法で養生期間から一貫して解析できることが示された。しかし、気中養生が長期に渡るものについては、含有水分量と細孔湿度の非線形関係の影響により、誤差が大きくなった。今後、水分特性曲線及びその温度による影響等を実験的に調べること、更にそれらを解析に取り入れることが必要である。 (2)気中養生により加熱前に乾燥を受けた供試体の水分逸散傾向は、乾燥過程後半に於して、標準養生の供試体の傾向と一致する。 (3)気中養生期間が長い程、全体として基準拡散係数が大きく、水分が移動し易い傾向を示した。
PDFファイル名 011-01-1037.pdf


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