種別 論文
主題 超微細な高炉スラグ粉末を用いたコンクリートの凝結硬化性状と環境温度の影響
副題
筆頭著者 三浦律彦(大林組)
連名者1 十河茂幸 (大林組)
連名者2 芳賀孝成 (大林組)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
11
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先頭ページ 349
末尾ページ 354
年度 1989
要旨 まえがき
産業副産物である高炉スラグは、古くからコンクリート用材料として広く使われてきたが、中でも水砕スラグは潜在水硬性が注目され、微粉砕されて高炉セメント等の混合材として大量に使われている。特に、近年では資源の有効利用やコンクリート構造物の耐久性向上の観点から、水砕スラグの微粉末(以下スラグ微粉末と呼ぶ)の使用量は高炉セメントの使用量の増加と相まって増加する傾向にある。 従来の高炉セメントには粉末度(ブレーン値)が3、000〜4、000cm2/gクラスのものが使用されているが、これを大量に用いた場合(B種、C種)、コンクリートに十分な強度を発現させるため幾分長めの湿潤養生が必要とされており、脱枠の時期についても少し長くするよう定められていて、その使用範囲は土木構造物などで早期強度が重要でないようなものに限られていた。 しかし、粉砕・分級技術の著しい向上により、従来のものよりさらに微粉末化することが可能となり、近年では粉末度が8、000〜10、000cm2/gクラス以上のものも生産されるようになってきた。これらの超微細なスラグ微粉末をコンクリート用混和材として使用した場合、材令初期の強度発現が従来の3、000〜4、000cm2/g クラスのものを用いた場合に比べてかなり促進されることが報告されている。従って、この超微細なスラグ微粉末を用いれば早期強度も改善できることから、今後は土木・建築の一般構造物などにも広く適用されてゆくことが予想されるが、この場合、低温下や高温下での強度発現性状に関してはまだ不明の点も多い。 そこで、本研究ではこれらの超微細なスラグ微粉末を用いたコンクリートの凝結・強度発現性状に着目し、それらに影響を及ぼすと思われる凝結・硬化過程の温度条件(寒中、暑中、水和熱による高温履歴)を取り上げ、実験的に検討を加えた。
まとめ
以上に示した実験結果をまとめると以下のようになる。 (1)粉末度の高いスラグ微粉末を混入したコンクリートの強度特性は従来の高炉セメントを用いたものとかなり異なり、材初期令での強度発現がかなり大きく(NPに近く)なるとともに、材令28日以降の強度増進も比較的大きく、最終強度はBBやNPよりかなり高くなる。 (2)粉末度の高いスラグ微粉末を混入したコンクリートは強度発現が良好であることから高強度コンクリートヘの適用性が高い。 (3)粉末度の高いスラグ微粉末を混入したコンクリートは初期の強度発現が比較的大きいため低温作用の悪影響を受けにくくなり、NPを用いる場合とほぼ同様に養生管理することができる。以上のことから、寒中コンクリート工事への適用性も従来のBBに比べてかなり高い。 (4)粉末度の高いスラグ微粉末を混入したコンクリートの暑中における強度発現はNPの場合とほぼ同様で、長期材令での強度増進はあまり期待できなくなる。 (5)粉末度の高いスラグ微粉末を混入したコンクリートが水和熱による高温履歴を受けた後の強度発現性状はNPやBBとほぼ同様で、長期の強度増進は全く期待できず、注意を要する。
PDFファイル名 011-01-1058.pdf


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