種別 論文
主題 混和材を多量添加した超低熱特殊水中コンクリートの性質
副題
筆頭著者 十河茂幸 (大林組)
連名者1 小沢郁夫 (大林組)
連名者2 新開千弘 (大林組)
連名者3 芳賀孝成 (大林組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 397
末尾ページ 402
年度 1989
要旨 まえがき
特殊水中コンクリートは、従来のプレパックドコンクリートにかわり、大規模プロジェクト工事への採用が増加しつつある。特殊水中コンクリートの大きな特徴は、水中分離抵抗性が大きいことであるが、より均一なコンクリートを施工するためには、水中での打継ぎは極力少なくすることが望ましく、一回に打設されるコンクリート量は必然的に多くなる。一方、その配合は、特殊混和剤を使用するといえども、流動性や品質を確保するために、単位セメント量を無制限に少なくすることはできず、セメントの水和熱に伴う温度ひびわれの発生が懸念される。 そこで、本研究では、高炉スラグやフライアッシュを高添加し、結合材量は多いが温度上昇の小さい超低発熱性の混合セメントを使用した特殊水中コンクリートを提案し、そのフレッシュ性状、硬化性状および断熱温度上昇量の実験結果をもとに、超低発熱性混合セメントの特殊水中コンクリートヘの適用性を検討した。
まとめ
高炉スラグ微粉末およびフライアッシュを多量に添加した超低発熱性混合セメントを特殊水中コンクリートに適用するに際して、フレッシュコンクリートの性状、硬化後の強度、発熱特性について検討した。この結果、以下のことが明らかになった。(1)混和材の添加率を増加させるにつれ断熱温度は小さくなる。(2)強度と断熱温度の関係は強い相関が認められず、強度発現性が良く、発熱の小さい混合セメントがあるものと考えられる。これは、(3)混合セメントの粒度が良いと高い強度が得られることなどが起因していると考えられる。一方、(4)高い温度履歴を受けたコンクリートの長期コア強度は、標準養生供試体より強度が小さくなり、このことからも、有効な長期強度を得るには、温度上昇をできるだけ低減することが好ましい。その他、(5)気中供試体強度に対する水中養生供試体強度の比はセメントが超低発熱性の混合セメントであっても特に小さくなるものではないこと(6)水中落下時の分離抵抗性は特に低下しないこと(7)凝結は低発熱にすることで遅れる傾向を示すが、始発は25〜41時間の範囲である。また、(8)スランプフローが5cm低下するのは二成分系で練上り後4〜5時間で、三成分系で7〜11時間である。なお、石粉はワーカビリチーを若干改善するが、強度への影響は小さい。以上、超低発熱性混合セメントを用いた特殊水中コンクリートの性質を調べ、特に悪影響がないことを確認し、むしろ温度ひびわれ対策として有効であると考えられるが、実施工に先がけ、さらに、練上り温度や気象作用の影響、耐久性に対する検討などの確認が必要と思われる。
PDFファイル名 011-01-1066.pdf


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