種別 論文
主題 円筒状構造物の外部拘束度に関する研究
副題
筆頭著者 江渡正満 (清水建設)
連名者1 木村克彦 (清水建設)
連名者2 小野定(清水建設)
連名者3 舘崎真司 (清水建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 481
末尾ページ 486
年度 1989
要旨 はじめに
LNG地下式貯槽?体、人工島などで代表されるように、コンクリート構造物の大型化に伴って生ずる、マスコンクリートの温度ひびわれ制御は、重要な課題である。 温度ひびわれ制御について検討する場合、コンクリート打込み後のセメントの水和熱に起因するコンクリート温度解析、それに伴う温度応力の評価が重要なポイントになる。温度応力の解析方法としては、構造物細部の応力評価が可能である有限要素法がある。これに対し、構造物の応力を簡易的に求める方法としてはコンペンセーションプレーン法や簡易法があり、これらは、有限要素法などより計算する労力、費用が少なくて済むため、構造物に発生する応力を容易に計算するには有用な方法である。 さて、簡易法で温度応力を推定するためには、コンクリートの力学定数、温度変化とともに、外部拘束度の評価が重要であり、小野、ACI、吉岡などの方法が提案されている。しかし、これらの方法は、一方向に連続しているコンクリートブロックに対するものであり、LNG地下式貯槽の側壁のような円筒状構造物の場合は、一方向に連続している構造体に比べ、半径方向の変形により応力が緩和されるため発生する応力が相違すると考えられる。このため、簡易法を用いて円筒状構造物の温度応力をより精度よく推定するには、半経方向の変位を考慮して算定された拘束度を用いることが必要と考えられるが、現状では、円周方向および半径方向に同時に変位する円筒状構造物の外部拘束度に関する研究、報告は少ない。 本研究では、円筒状構造物の外部拘束度に及ぼす諸要因のうち影響が大きいと考えられる被拘束体と拘束体のヤング係数比、高さ比などの影響について有限要素法により解析的に検討し、その結果をもとに、外部拘束度を要因の関数として表わした。また、本論で提案した拘束度と既往の研究による拘束度の比較を行った。
まとめ
円筒状構造物の温度応力を簡易法によって計算する場合に必要となる外部拘束度Rを、被拘束体および拘束体のヤング係数、部材高、壁厚を要因として、有限要素法により解析し、これら要因が拘束度に及ぼす影響について検討した。さらに拘束度を、これら要因との関係式で表示することを試み、得られた結果を、既往の研究による拘束度と比較した。 本研究で得られた主な成果を列挙すれば、以下のとおりである。 (1)円筒状構造物の拘束度に影響を及ぼす要因のうち、被拘束体と拘束体のヤング係数比、および直径と被拘束体の高さ比は大きな影響を及ぼし、直径と壁厚比、拘束体と被拘束体の高さ比は影響が小さい。 (2)構造物下端の境界条件が拘束度に及ぼす影響は小さい。 (3)円筒状構造物の拘束度を要因の関数として一次式で表わすことができる。(4)円筒状構造物の拘束度は、一方向の連続した構造物の拘束度と比較して約半分と小さな値である。
PDFファイル名 011-01-1080.pdf


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