種別 論文
主題 コンクリート中の鉄筋発錆に対する塗布型腐食抑制剤の効果
副題
筆頭著者 小林明夫 (鉄道総合技術研究所)
連名者1 牛島栄(鉄道総合技術研究所)
連名者2 家室育夫 (小野田開発研究所)
連名者3 越川松宏 (小野田開発研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 585
末尾ページ 590
年度 1989
要旨 はじめに
筆者らは、コンクリート内部に残存する塩化物によって鉄筋が腐食する場合の抑制方法として、コンクリート表面に腐食抑制剤(亜硝酸塩)を塗布しコンクリート内部の鉄筋の周辺部まで浸透させて、鉄筋の腐食を抑制する方法を試みている。この方法により鉄筋の腐食を抑制する場合の問題点としては、コンクリート中の塩分量と腐食抑制剤の塗布量との関係であるNO2-/Cl-モル比が考えられる。 新設時にコンクリート中の鉄筋の防食を目的として予防保全的に腐食抑制剤を塗布する場合のNO2-/Cl-モル比は、予め腐食抑制剤を混和剤としてコンクリート中に内添した試験で確認した結果、0.82程度であるという知見を得ている。しかし、鉄筋が既に塩分によって腐食している場合には、腐食抑制剤を塗布することにより鉄筋腐食の抑制効果は認められるが、明確な腐食抑制剤の必要量については十分な結果(NO2-/Cl-モル比の値)を得ていない。 本報告では既に腐食が生じている鉄筋の補修方法として、腐食抑制剤を塗布し鉄筋腐食の進行を抑制するために必要な塗布量を明らかにする事が重要であり、この塗布量を求めるためにコンクリート中の塩分量と腐食抑制剤の塗布量を変化させてその抑制効果を検討した。また腐食抑制剤を塗布した場合に、ひびわれ部はひびわれがない場所と比較して、より内部へ腐食抑制剤が浸透する事が確認できた。そこで、ひびわれ幅を変化させた場合の腐食抑制剤の浸透性、鉄筋の腐食抑制効果及びNO2-/Cl-モル比についても検討した。
まとめ
本試験の範囲で得られた結果を以下に示す。 (1)コンクリート中の鉄筋が内部塩分により更に腐食している場合は、腐食抑制剤を必要量塗布すれば腐食進行を抑制できると考えられ、その必要なモル比は別の機会に明らかにしたい。 (2)現場試験施工と同様にひびわれ部における腐食抑制剤の浸透性は良好であり、その程度は塗布量やひびわれ幅に伴い増加している。 (3)幅0.1〜0.2mmのひびわれが発生したコンクリートに対しては、腐食抑制剤を塗布する事により腐食の拡がりや進行を抑制でき、更にひびわれ補修によって効果は増大する。 (4)ひびわれは発生しているが、鉄筋が腐食していない場合は腐食抑制剤を鉄筋位置でNO2-/Cl-モル比1.5程度になるように塗布すれば腐食抑制はできると考えられる。
PDFファイル名 011-01-1098.pdf


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