種別 論文
主題 付着割裂破壊に支配される梁のせん断耐力
副題
筆頭著者 奥出久人(明治大学大学院)
連名者1 高木仁之(明治大学工学部)
連名者2 狩野芳一(明治大学工学部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
11
2
先頭ページ 81
末尾ページ 86
年度 1989
要旨 はじめに
曲げせん断力下での脆性的な破壊形式として、異形鉄筋周辺の被りコンクリートが、鉄筋節のクサビ作用により割り裂かれて耐力を喪失する、付着割裂破壊が近年注目されている。これは割り裂きにより鉄筋と周辺コンクリートとの間の付着作用が失われるもので、主筋の応力がコンクリートに伝達されなくなり、鉄筋コンクリート構造としての本来のはり機構が成り立たなくなるものである。一方、近年高強度鉄筋の活用に関する研究が各方面で行われているが、高強度鉄筋をあばら筋としてその高張力を活かして有効に使用すればあばら筋比が小さくなり、その場合付着割裂破壊の危険性が生じてくる。本論ではで報告した実験結果に新たな実験結果を加えて、付着割裂破壊の特性と付着割裂破壊耐力に及ぼすあばら筋の効果について総合的に論じようとした。
まとめ
付着割裂破壊する梁のせん断耐力は、通常のせん断破壊に比べて著しく低い値を示した。1)付着割裂破壊した試験体における各区間の付着応力度の最大値は、森田式による付着割裂強度に良く適合した。2)付着割裂破壊した試験体の平均付着応力度の最大値は、上端下端とも森田式を下回ったが、森田式で言うようにあばら筋比p wに依存し、wσyによる影響はみられなかった。3)梁中央部に早期に斜めひび割れが発生した試験体では、森田式よりもかなり高い付着応力度を示した。これは、あばら筋に生じる引張力に拘束されて、主筋が森田式を上回る大きな付着応力度に耐えられたものと考えられたが、その定量的な評価はできなかった。4)塑性理論を適用した付着割裂耐力算定式は、付着割裂破壊する試験体の耐力をほぼ的確にとらえ、あばら筋の降伏強度による影響を定性的に説明できた。5)本論文の知見は、一方向加力により曲げ降伏以前に付着割裂破壊する場合のものであり、正負繰り返し加力等の影響については、今後更に検討する必要がある。
PDFファイル名 011-01-2011.pdf


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