種別 報告
主題 RI法によるコンクリート供試体の密度分布測定
副題
筆頭著者 瀬古育二 (水資源開発公団)
連名者1 自閑茂治 (水資源開発公団)
連名者2 森井俊広(ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社)
連名者3 延山政之(ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 193
末尾ページ 196
年度 1989
要旨 はじめに
最近のRCD工法では、コンシステンシーとともに締固め密度がコンクリートの品質を決定づける一つの要因として注目されている。すなわち、RCD用コンクリートのように振動ローラを用いて上部より転圧締固めを行うコンクリートでは、その締固めの程度とともに締固めの方法に起因する上下方向の密度の不均一性がコンクリートの品質に大きな影響を与えると考えられる。RI(ラジオアイソトープ)法は被測定物の密度を非破壊でかつ迅速に測れるという特長がある。本文はこのようなRI法の特徴を利用して、一次元の密度スキャニング装置を試作し、室内で作製したコンクリート供試体の密度分布を調べた結果について報告するものである。これまで平均値(かさ密度)としてしかとらえられなかったのに対して、RI法では長さ方向の密度の分布をきめ細かく調べられるため、配合条件や締固め方法が密度分布に及ぼす影響や、密度分布と強度などの力学特性との関係をより具体的に把握できるなど、有益な情報をもたらす可能性があると考える。以下に、今回試作したRI密度分布測定装置とその測定方法を簡単に説明し、つづいて直径30cmの室内供試体に対する測定結果と当測定法の適用性について述べる。
まとめ
今回試作したRI密度分布測定装置は、非破壊でコンクリート供試体内部の密度分布を調べることを可能にし、測定に要する時間や測定精度の面でも十分に実用性をもつものであることが分った。たとえば今回測定した長さ60cmの供試体の場合、測定間隔を5cm、測定時間を3分とすると、供試体のセットと取外しを含めても60分程度ですむ。また従来、質量と容積を計量して求められた、かさ密度と比較しても実用上の精度にはなんら問題はない。今回の一連の測定を通してえられた知見と今後の課題を要約すると次の通りである。ア).供試体の長さ方向の密度分布は、確率統計的な性質をもつものの、基本的には内部構造を反映したものであるとみるべきであり、配合条件や締固め方法などによって特徴的な分布パターンがあらわれる傾向にある。イ).密度分布のパターンはコンクリートのコンシステンシーと密接に関連しており、これは主として流動性の違いによってブリージング性状や粗骨材の分布の仕方が変わるためであると考えられる。ウ).密度分布を調べることにより密度という観点からみた供試体の内部構造をある程度明確にすることができた。今後、試験室供試体および現場コア供試体の測定を通して密度分布あるいは骨材分布が強度などの力学特性に及ぼす影響を具体的に検討していく必要がある。この場合、水分分布の測定を並行して行うことにより、より整合性のある解釈が導かれる可能性が期待できると考えられる。
PDFファイル名 011-02-1030.pdf


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