種別 報告
主題 ステンレス異形棒鋼の機械的性質及びせん断補強筋に用いたRCはりのせん断実験
副題
筆頭著者 松崎育弘(東京理科大学)
連名者1 中野克彦 (東京理科大学)
連名者2 井上隆夫 (鹿島建設)
連名者3 古川知明(新日本製鐵)
連名者4  
連名者5  
キーワード
11
1
先頭ページ 839
末尾ページ 842
年度 1989
要旨 はじめに
近年、コンクリート中の鉄筋の腐食によるコンクリート構造物の劣化が問題となっている。腐食の原因、全体的なアルカリ性の喪失(炭酸化)と塩化物イオンの付着であり、工業、海洋、農業環境化等の露出環境条件が厳しい場合、又は、入手し得る材料の品質が劣るために良質のコンクリートが作り出せない場合等では、耐食性合金鋼であるステンレス鋼が適している。表1にステンレス鋼の一般的な化学成分を示すが、合金成分量により、マルテンサイト系(SUS410)、フェライト系(SUS430)、オーステナイト系(SUS304)の3種類に分けられ、クロム・ニッケルの含有量を増すことにより耐食性が高まる性質のものである。特に、オーステナイト系は約8%のニッケルを含み塩基物の高い環境化において有効であり非磁気性である。一方、製造プロセスを考慮せず、合金成分量のみによるコストを比較すると、SUS410、430、304についてそれぞれ、鉄筋の4.7、4.3、5.7倍となり、アルカリ度、塩化物イオン等の環境条件、及び、経済性により鋼種を選択することが重要である。本研究では、コンクリート構造物の抜本的な防食策として鉄筋の代りにステンレス鋼を利用する方法をとりあげ、上記の3鋼種について異形棒鋼を試作し、最初に機械的性質の把握を行い、次に梁部材の曲げ降伏を保障する部材耐力を把握するために、せん断補強筋としての効果を実験により明らかにし、RC部材への利用について検討することを目的とする。
まとめ
今回、試作したステンレス異形棒鋼の引張特性は、明確な降伏点が現れず、正確には把握できなかったが、載荷速度にも影響を受ける部材であり、特にSUS304は降伏比が大きく延性に富んだ材料であると言える。また、各鋼種とも引張・圧縮試験による履歴特性、及び、梁のせん断性状は鉄筋を用いたものと同様な挙動を示し、十分に構造材料となりうるものと考えられる。 今後、ステンレス異形棒鋼をRC部材に利用するにあたり、機械的性質を明確に定量化し、使用環境条件に応じた鋼種を選択することが重要と考えられる。
PDFファイル名 011-02-1143.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る