種別 論文
主題 現場打設による高強度PCa梁部材の製造に関する実験的研究
副題
筆頭著者 中嶋健治(不動建設技術開発室)
連名者1 葉賀忠昭(サンフロー企画技術部)
連名者2 岡部善憲(香建築事務所)
連名者3 末永保美(横浜国立大学工学部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 19
末尾ページ 24
年度 1990
要旨 まえがき
超高層RC造は、居住性・工期短縮・経済性の面で優れており、20階から32階規模の都市型集合住宅のなかでは7割近くを占めている。このような情勢下において、鉄筋・型枠熟練工の不足と技能低下が深刻化しており、工事の省力化・生産性向上を図るために、プレキャスト化率を高めることが大きな課題となっている。従来、現場打設によるプレキャストコンクリート(以下PCaと略記)部材の製作は、プレキャスト化率を高めるためシート養生および保温養生を行っていた。しかしながら、これらの養生方法では特に冬場において、製造工程・架設工程・ストックヤードの面で工事全体の進捗と品質に大きな支障をきたす恐れがある。この問題を解決するために、蒸気養生を用いた現場打設による高強度PCa梁部材の製造実験を行ったので、ここに報告し、今後のPCa製造技術向上の一助とするものである。そこで、本実験は、スランプロス低減型の高減水性混和剤を用いた普通骨材コンクリートを使用し、室内および実機による調合試験でコンクリートの基礎的性状を確認したうえで、レデーミクストコンクリート製造による高強度コンクリート(Fc=360kgf/cm2)でPCa梁部材を現場打設にて蒸気養生し、冬季から夏季にわたり製造した。その使用した高強度コンクリートの調合、フレッシュコンクリートと硬化したコンクリートの性状、および凍結融解による耐候性などを検証し、PCa梁部材の実大施工におけるコンクリートの温度解析、コンクリートの前養生の定量化、コンクリートの非破壊試験および破壊試験結果について述べる。
結論
高減水性混和剤を用いたコンクリートの基本物性は、JASS5およびJASS10に規定する高強度・高耐久性コンクリートおよび高強度コンクリート用高減水性混和剤の判定基準を満足した。PCa梁の実大施工より、シリーズ1(冬季)では、プレヒーティングを含めた前置き時間4hr、最高温度60℃、最高温度保持時間3hrとし、シリーズ1では、プレヒーティングなしの前養生3hrの蒸気養生を行った。この蒸気養生を採用した現場打設PCa梁部材の製作は、前養生終了時の時間積算温度(110H.D以上)、簡易式貫入抵抗器による貫入抵抗値50psi以上)の組合せで充分にPCa梁部材の製造・品質管理ができるものと考える。このことは、コンクリート表面の気泡状態・平坦さ・反発係数の非破壊試験結果と硬化したコンクリートの性状との試験結果より、妥当であったことが実証されたものと考える。以上のことから、本実験で知見されたPCa梁部材の製造技術および品質管理方法が、今後の超高層RC造におけるプレキャスト化率の同上の一助となれば倖いである。
PDFファイル名 012-01-1001.pdf


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