種別 論文
主題 高性能減水剤添加系におけるセメントの流動機構に関する一考察
副題
筆頭著者 名和豊春(秩父セメント生産技術部)
連名者1 江口仁(秩父セメント生産技術部)
連名者2 鈴木正弘(秩父セメント生産技術部)
連名者3 深谷泰文(秩父セメント生産技術部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 25
末尾ページ 30
年度 1990
要旨 まえがき
昨今、建設環境の変化に伴うコンクリート施工の機械化や、コンクリートの品質向上を目的とした各種混和剤の開発、使用方法の多様化が急速なテンポで進行してきている。このような中で、生コンクリートの品質管理および物性の把握のために、混和剤を用いたコンクリートの流動機構を解明することが重要な課題となってきている。著者らは、すでに硫酸アルカリ量、せっこう形態の異なるセメントの流動性について報告し、セメントペーストの流動性に及ぼすSO42-の効果を明らかにするとともに、高性能減水剤添加系でのセメントペーストの流動性の相違はクリンカー鉱物への混和剤分子の選択吸着によるヘテロ凝集によることを示した。しかしながら、硫酸アルカリとせっこうの相互作用については十分に解析がなされておらず、さらに著者らがセメントペーストで見出した流動機構が実際のモルタルやコンクリートの流動性に適用できるかについても検討が必要と考えられる。本研究は、このような背景を基に、著者らがすでに示した高性能減水剤添加セメントペーストの流動機構のモルタルへの適用性について、市販セメントおよび試製セメントを用いて検討を行ったもので、セメントへの混和剤の吸着性状およびセメント粒子の表面電位とモルタルの流動性の関係について考察を行った。
結論
本研究では、市販セメントおよび試製セメントを用いて、著者らが提案した混和剤添加セメントペーストの流動機構のモルタルへの適用を混和剤の吸着性状やセメント粒子の表面電位から検討した。その結果、やはり接水直後にC3SやC4AF等に混和剤分子が吸着するほど、C3S等のシリケート相に吸着する混和剤分子が減少するためセメント粒子がヘテロ凝集し、モルタルの流動性が悪くなるのが認められた。また、C3Sの表面電位はC3S表面への混和剤分子の吸着の他に液相中のイオンによる電気二重層の圧縮の影響も受け、両者のバランスによりセメント粒子の凝集度合が決定することが判明した。なお、硫酸アルカリとせっこうの相互作用についても検討し、モルタルの流動性に対して両者より溶出するSO42-は同等の効果を示すことを明らかにした。
PDFファイル名 012-01-1002.pdf


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