種別 論文
主題 高炉スラグを用いたRCDコンクリートの諸特性に関する研究
副題
筆頭著者 田邊大次郎(熊谷組土木本部)
連名者1 阪田憲次(岡山大学工学部)
連名者2 廣村治(熊谷組技術研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 87
末尾ページ 92
年度 1990
要旨 はじめに
コンクリートダムの合理化施工方法として開発されたRCD工法は、その施工実績が10件程度あり、現在では完成された工法として定着しつつある。この工法は、敷均しと締固めをそれぞれに適した機械を使用することに特徴があり、このため、使用するコンクリートは単位水量が少ない超硬練りのコンクリートである。混和材料としては、セメントの水和熱の低減、また、少ないセメント量で細骨材の空隙をセメントペーストで満たすために、セメントより比重の小さいフライアッシュが使用されている。しかし、フライアッシュは、良質の石炭の枯渇およびNOx規制による火力発電所のボイラーの燃焼温度の低下により、JIS規格に適合しないものが増大しており、今後のコンクリート用混和材料としての利用範囲が限定される可能性がある。こうした背景から、本研究はフライアッシュに代わる混和材料として高炉スラグ微粉末を取り上げ、高炉スラグ微粉末がRCDコンクリートのフレッシュコンクリートおよび硬化コンクリートの性状に及ぼす影響を実験的に明らかにしようとするものである。
まとめ
本研究では、RCDコンクリートのフレッシュコンクリートおよび硬化コンクリートの性状に及ぼす高炉スラグ微粉末の影響を把握するために行った実験より、以下の結論を得た。フレッシュコンクリートの性状について、(1)高炉スラグ微粉末の置換率は、コンクリートの締固め性状および充填性に影響を及ぼし、置換率70%の場合のほうが置換率50%よりも、両者の性状は良くなる。(2)高炉スラグ微紛末の紛末度は、コンクリートの締固め性状に影響を及ぼし、紛末度が大きくなるにつれて締固め性状は良くなる。(3)高炉スラグ微粉末を混和材として用いる場合、普通ポルトランドセメントよりも中庸熱ポルトランドセメントを使用した結合材のほうが締固め性状が良い。(4)フライアッシュを使用した結合材は、高炉スラグ微粉末を使用したものより充填性に優れている。硬化コンクリートの性状について、(1)高炉スラグ微粉末の置換率は、材令28日以降のコンクリートの圧縮強度に影響を及ぼし、置換率が大きいほど圧縮強度は大きくなる。(2)高炉スラグ微粉末の粉末度は、圧縮強度に影響を及ぼし、粉末度が4、090cm2/gの圧縮強度は、2、550cm2/gおよび3、270cm2/gの場合よりも大きい値を示す。また、この傾向は材令が経過するにつれて顕著となる。(3)フライアッシュを使用した結合材の圧縮強度は、材令による強度増進が少なく、材含56日においては高炉スラグ微粉末の場合よりも小さい値を示す。(4)コンクリート打込み温度が10℃程度の場合、高炉スラグ微粉末の粉末度は、断熱温度上昇の初期材令における上昇速度に影響を及ぼし、粉末度が大きいほど上昇速度は大きくなる傾向が認められる。しかし、粉末度は最高温度上昇量に影響しない。(5)コンクリート打込み温度が10℃程度の場合、高炉スラグ微粉末の粉末度は、温度上昇に影響を及ぼし、粉末度が大きくなるにつれて温度上昇量は増大する傾向が認められる。(6)コンクリート打込み温度が10℃程度の場合、高炉スラグ微粉末を70%混入した結合材は、フライアッシュを用いたものより温度上昇に対する低減効果が大きい。
PDFファイル名 012-01-1013.pdf


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