種別 論文
主題 異種粒度の結合材を用いたフレッシュコンクリートの性質
副題
筆頭著者 近松竜一(大林組技術研究所)
連名者1 竹田宣典(大林組技術研究所)
連名者2 十河茂幸(大林組技術研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 93
末尾ページ 98
年度 1990
要旨 まえがき
近年、高炉スラグ微粉末(以下、スラグ微粉末と略称)やフライアッシュの使用効果が再認識され、混和材としての活用が注目されている。例えば、これらを従来の混合セメントとしての混合率よりも大きい範囲で用いた場合には、コンクリートの発熱特性の改善に有効であることが報告されている。また、スラグ微粉末に関しては、これをセメントと適当量置換することにより塩害やアルカリ骨材反応によるコンクリートの劣化抑制にも効果があり、最近では、初期の強度発現の改善を目的として、従来よりも細かく粉砕したスラグ微粉末が製造されるようになっている。コンクリートの品質向上のためには、これらの混和材のより積極的な活用が期待され、今後は従来の置換域よりも大きい範囲での使用が増えるものと考えられる。しかしながら、この場合のコンクリートの諸性状については未だ不明な点が多い。本論文は、スラグ微粉末やフライアッシュを混和材として高置換した場合を対象として、特にこれらの粒度や置換率の違いがフレッシュコンクリートの性質に及ぼす影響についてまとめたものである。
結論
本研究の範囲内で以下のことが明らかである。1)結合材量を一定とした場合、同一スランプを得るための所要単位水量は、混和材の粉末度や置換率によって相当に異なり、微粉の割合の多いスラグ微粉末を高置換した場合には著しく水量が増大する傾向にある。しかし、この水量の増加は、フライアッシュの混入や微粉を減少させたセメントをベースとすることによって十分に対処できる。2)スラグ微粉末中の微粉はブリージング抑制効果を有しており、粉末度の大きいスラグ微粉末を高置換した場合には、ブリージング量は著しく減少する。一方、フライアッシュを用いた場合には、置換率の増大に伴ってブリージングが長時間にわたって継続され、ブリージング量も増加する傾向を示す。3)スラグ微粉末を使用した場合の凝結性状は、置換率70%までは大きな差異は生じない。しかし、さらに置換率を大きくした場合には、急激に終結が遅延する。4)ベースセメントとして分級操作により微粉の割合を減少させたセメントの使用は、結合材全体の粒度を調整する上で効果的であり、特に粉末度の大きいスラグ微粉末を高置換して積極的に活用する場合には、単位水量の低減策として極めて有効である。
PDFファイル名 012-01-1014.pdf


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