種別 | 論文 |
主題 | コンクリート中の水分移動における水分伝導率の評価 |
副題 | |
筆頭著者 | 秋田宏(東北工業大学) |
連名者1 | 藤原忠司(岩手大学工学部) |
連名者2 | 小西俊之(岩手大学大学院) |
連名者3 | 尾坂芳夫(東北大学工学部) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 1 |
先頭ページ | 161 |
末尾ページ | 166 |
年度 | 1990 |
要旨 | まえがき セメント硬化体中の水分移動を拡散現象としてとらえ、別報ではまずモルタルについて非線形拡散方程式による解析を試みた。その際、拡散係数に対応する水分伝導率を、阪田らと同様に実験による相対含水率からボルツマン変換により求めた。しかしながら、理論的には平衡含水率を用いて境界条件を記述したこと、実験的には割裂によって含水率を求めたこと等が阪田らと異なる点である。また、その解析手法を乾燥ばかりでなく吸湿・吸水過程にも適用し、実験結果との適合性を確認している。ただし、そこでは実験も解析も1次元の水分移動を扱い、3次元的な効果の検討をせず、蒸発熱の影響も無視できるものとして扱った。本稿でも蒸発熱の影響は無視するが、水分移動解析上の具体的な資料を提供することを目的とし、3次元および1次元の水分移動解析を行うとともに、広範囲な配合についてコンクリートの乾燥実験を行い、水分伝導率の配合依存性について検討した。 あとがき コンクリートやモルタルの水分移動を解析する際に必要となる具体的な資料を提供することを目的とし、コントロールボリューム法による数値計算ならびに乾燥の実験を行って検討した。その結果、広範囲な水セメント比に対する水分伝導率の変化および水分伝達率の変化を示すことができた。これらの結果を用い実際に解析する手順は、当該水セメント比に対するD1を図-4から、αmを図-5から求め、D/D1は式(10)を用い、(2)式を境界条件(4)式と初期条件(3)式のもとに数値解析すればよい。その他にもいくつかの新しい知見ならびに現象解明上の示唆となる実験結果を得ることができた。本研究の範囲で明らかになった点は以下のようである。(1)乾燥過程における水分伝導率と相対含水率の関係は、少なくともWC=50〜70%の範囲では配合によらずほぼ同一の曲線で表わすことができる。(2)本解析法により算出した質量減少量は、1面乾燥・6面乾燥ともに広範囲な配合に対し100日までの範囲で実験結果に良く一致する。(3)質量減少量の計算値にもっとも大きく影響するのは、平衡含水率曲線から定まる乾燥面の相対含水率である。(4)ボルツマン変換は、水分伝導率を求める方法として有効である。ただし、解析にあたってもっとも重要な相対湿度・相対含水率の関係について資料が十分でないため、さらに研究の必要がある。 |
PDFファイル名 | 012-01-1026.pdf |