種別 論文
主題 高温下のコンクリートの長期強度性状に関する研究
副題
筆頭著者 西内達雄(電力中央研究所)
連名者1 金津努(電力中央研究所)
連名者2 石田博彰(電力中央研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 371
末尾ページ 376
年度 1990
要旨 はじめに
原子炉格納容器や放射性廃棄物の貯蔵施設'などの鉄筋コンクリート構造物は、長期間継続して高温条件下にさらされることが想定されて設計される。このため、高温条件下におけるコンクリートの長期強度性状を把握しておくことは重要な課題であるが、1年を超える長期にわたる研究は少ない。また現在、高温条件下の設計では「原子力用コンクリート格納容器設計指針案・同解説」が拠り所となるもので、この中でコンクリートの常時継続して受ける温度制限値を65℃に規定している。しかし、65℃の根拠は明確でなく、また、従来より100℃程度までの温度条件であれば、短期的にはコンクリートの弾性係数の低下は大きいが、強度的には実用上問題になるほど大きな影響は及ぼさないとの結果が得られている。以上のことから本研究では、現行の温度制限値(現行の規定では65℃)と力学的性質の長期健全性について検討を行うことを目的として、常時65℃〜110℃の温度を長期間受けた時のコンクリートの力学的性質の特徴を実験により明らかにした。
まとめ
長期間高温条件下(65℃〜110℃)にさらされたコンクリートの材料特性を調べた結果、以下のことが明らかとなった。(1)圧縮強度:残存比はシール条件の方がアンシール条件よりも小さく、また、温度条件の高い方が小さくなる傾向があるが、65℃〜110℃までの温度条件ではその差は小さい。(2)弾性係数:残存比は圧縮強度の場合とは反対に、アンシール条件の方がシール条件よりも小さい。また、温度の上昇とともに残存静弾性係数比は直線的に低下し、圧縮強度に比較して温度変化に敏感に影響される。(3)細孔構造:圧縮強度と密接な関係を持ち、細孔容積が大きいものほど圧縮強度の低下量は大きい。110℃の高温下では常温下のものに比べてコンクリートの組織は弱体化し、粗大孔、微細ひびわれが発生するため、細孔径分布のピークは粗大な方へシフトする。(4)設計用温度制限値:現行では65℃の制限値が設けられているが、強度特性の面からは、残存比を考慮することにより、この制限値を引き上げることは可能と考えられる。
PDFファイル名 012-01-1063.pdf


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