種別 論文
主題 コンクリート構造の寿命予測に関する一考察
副題
筆頭著者 関博(早稲田大学理工学部)
連名者1 松井邦人(東京電機大学理工学部)
連名者2 松島学(東電設計技術開発本部)
連名者3 金子雄一(東電設計第二土木本部)
連名者4 田畑裕(東海旅客鉄道)
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 569
末尾ページ 574
年度 1990
要旨 まえがき
近年、コンクリート構造物の劣化が間題となっており、大きな原因の一つとして塩分のコンクリート中への浸透による鉄筋の腐食があげられている。鉄筋の腐食膨張はかぶりのコンクリートの剥離および剥落を誘起することになる。コンクリート構造物の寿命の一つとして、鉄筋腐食による軸方向ひびわれの発生時点を設定することができる。本研究では、海洋環境に建設された構造物に関して外部から侵入する塩分による鉄筋の腐食およびそれに伴うかぶりコンクリートのひびわれ発生に着目し、塩素イオンのコンクリート中への浸透をモデル化して鉄筋の腐食発生時間を算定し、さらに鉄筋の腐食機構をモデル化して腐食速度を推定することにより、かぶりコンクリートにひびわれが発生するまでの時間を推定することを試みた。
結論
コンクリート中における鉄筋の腐食機構のモデル化を行ない、既往の研究の結果から諸数値を仮定して、ひびわれ発生までの時間を解析的に検討した。本結果から得られた傾向は以下の通りである。1)塩素イオンの拡散係数の増大に伴い腐食開始時間は短くなる。また、塩素イオンの表面濃度も腐食開始時間に影響する。2)コンクリートのかぶりが大きくなると、腐食開始時間が遅くなる。3)酸素の拡散係数は、腐食速度に対する最も重要な影響である。4)コンクリートのかぶりは、腐食速度にはほとんど影響を及ぼさない。5)水セメント比が大きい場合には、ひびわれ発生時間が短くなる。6)空隙含水率(飽和度)の増大に伴い、腐食開始時間は短くなるが、腐食開始後ひびわれ発生までの時間は長くなる。このため、海洋環境下の状況と考えられる空隙含水率(飽和度)=60〜80%の範囲では、比較的早い時点でひびわれが発生するが、海水中に没している場合(飽和度S=100%)には、ひびわれ発生までの時間は遅くなる。
PDFファイル名 012-01-1097.pdf


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