種別 論文
主題 一対比較にもとづいたコンクリート構造物の耐用期間の設定
副題
筆頭著者 松島学(東電設計技術開発本部)
連名者1 関博(早稲田大学理工学部)
連名者2 金子雄一(東電設計第二土木本部)
連名者3 松井邦人(東京電機大学理工学部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 621
末尾ページ 626
年度 1990
要旨 はじめに
構造物の耐用期間に影響を及ぼす諸因子には、多くの不確実性が含まれており、その値を定量的に求めることは困難である。Iizukaは橋梁を対象にして1)Natural factor、2)Old、3)Admini-strative schemeおよび4)Social factorを耐用期間の因子として、過去の新潟県の橋梁のデータから信頼性理論を用いることによりコンクリート橋の耐用期間を5件としている。著者らも既往の耐用期間の考え方を整理し、表1のようにまとめ直した。一方、構造物の管理者等の専門家は、定量的ではないにしろ感覚的に構造物の耐用期間に対して何らかの考えを持っているのが普通である。本研究はコンクリートの専門家に対して一対比較を用いたアンケート調査を行い、コンクリート構造物の耐用期間を求めたものである。耐用期間は、「物理的な耐用期間」、「経済的な耐用期間」、「機能的な耐用期間」があるとされている。本研究では、社会的変化、経済性などではなく、対象を物理的要因による劣化により決定される耐用期間を考えた。対象とした構造物はコンクリート橋とくい式桟橋を取り上げた。この2つの構造物を選定した理由は、コンクリート橋は一般土木構造物であり比較的答やすいと思われるためであり、くい式桟橋は海洋構造物なので環境条件がコンクリート橋と顕著に異なることが想定されるためである。アンケート調査は、耐久性の専門家として、大学や研究所、建設会社で長年コンクリートの設計、研究に直接かかわってきた熟練者5名を選んだ。
まとめ
本研究はコンクリートの専門家に対する一対比較を用いたアンケート調査を行い、対象とした構造物、コンクリート橋およびくい式桟橋の耐用期間を求めたものである。その結果は次のようにまとめられる。(1)従来、経験的に決定されていた構造物の耐用期問の決定方法を一対比較法を用いることにより定量的に取り扱うことができる。(2)耐用期間はコンクリート橋でT=61年、桟橋でT=49年となり、桟橋の方が若干耐用期間が短いことがわかる。これは、環境条件が異なることが大きく影響していると推測される。(3)そのあいまい度は、コンクリート橋の方が小さな値となり、コンクリート橋のような一般土木構造物に比べ、桟橋のような特殊構造物では、判断が難しいことがわかる。
PDFファイル名 012-01-1106.pdf


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