種別 論文
主題 アルカリ骨材反応を生じたモルタル中を伝播した超音波の減衰特性に関する研究
副題
筆頭著者 山田和夫(愛知工業大学工学部)
連名者1 小阪義夫(関西大学工学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
12
1
先頭ページ 773
末尾ページ 778
年度 1990
要旨 はじめに
最近、アルカリ骨材反応や塩害などによるコンクリート構造物の早期劣化が社会的な問題となっており、関連する各省庁や学・協会においても、それらの原因の解明並びに実構造物に対する劣化度診断方法の確立に関する調査・研究が精力的に行われている。筆者らも、従来からこのような社会的背景を踏まえて、コンクリート中を伝播し検出された超音波の周波数特性に注目したコンクリートの劣化度診断方法、いわゆる超音波スペクトロスコピー法による劣化度診断方法の確立を目的として、一連の理論的並びに実験的検討を行ってきた。本報は、その延長上のもので、アルカリ骨材反応を生じたモルタル中を伝播した超音波の減衰特性とモルタルの劣化度との関連について実験的に調査・検討を行ったものである。
結論
本研究では、超音波スペクトロスコピーを適用したコンクリートの品質劣化度の診断手法の確立を目的とした基礎的研究の一つとして、アルカリ骨材反応を生じたモルタルを取り上げて検討を行った。本研究によって得られた結果は、およそ次のように総括できる。1)本実験で採用した促進アルカリ骨材反応試験法のうち、GBRC法ではモルタル強度に影響を及ぼすほどの反応はみられなかったが、60℃温水促進法の場合には、強度低下がみられた。この場合、パイレックスガラスのペシマム量は、細骨材の容積置換率で評価すると、約20〜40%であった。2)強度変化がみられない場合も、アルカリ骨材反応によるものと思われる透過超音波の伝播速度、平均周波数、最大振幅およびエネルギーの減少、ならびにエネルギー分散の増加がみられ、検出波の出力は減衰して波形の立下りも鈍くかつ波形の集中度も分散化する。3)アルカリ骨材反応よる強度低下がみられない場合でも、周波数伝達関数は敏感に反応し、次第に低周波数成分が卓越した周波数特性を示すようになる。以上の結果、超音波スペクトロスコピー法は、アルカリ骨材反応を生じたコンクリートの劣化度評価に対しても有用であることが明らかとなった。
PDFファイル名 012-01-1132.pdf


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