種別 論文
主題 反応性骨材を用いたコンクリートの膨張特性に及ぼす混和剤の影響
副題
筆頭著者 中島正智(日曹マスタービルダーズ中央研究所)
連名者1 能町宏(日曹マスタービルダーズ中央研究所)
連名者2 高田誠(ポゾリス物産技術部)
連名者3 西林新蔵(鳥取大学工学部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 815
末尾ページ 820
年度 1990
要旨 はじめに
コンクリート用骨材のアルカリシリカ反応性に関しては、わが国でもすでに化学的、岩石学的手法、ならびにモルタルバー法等で多数の基礎的研究がなされてきており、骨材の有害、無害の判定に関する試験方法もJIS A 5308「レデーミクストコンクリート」の付属書に規定されるようになった。また、反応性に影響する要因もモルタルバー法による試験結果や、コンクリート構造物の損傷調査結果等から解明されつつある。すでにコンクリート用化学混和剤を使用したコンクリート試験体によって、膨張特性におよぼす骨材の種類とその混合比率、空気量と膨張率との関係、単位セメント量とアルカリ総量、および混和剤の種類等の影響について、6ヶ月と12ヶ月の材令での結果をそれぞれ報告した。通常、この種のコンクリート試験で採用される養生方法は、40℃、相対湿度95%以上の促進養生、あるいは、20℃、40℃の水中に浸漬する方法が採用されているが、養生方法はコンクリートの膨張特性に大きな影響をおよぼすと考えられる。本研究は上記促進養生と対比して、20℃、相対湿度95%以上の環境下で経時したコンクリート試験体について、混和剤の種類、連行空気量、アルカリの種類等の影響を明らかにするとともに、試験体を水中に浸漬した場合のアルカリ成分の溶出に関しても検討を加えたものである。
まとめ
古銅輝石安山岩系骨材を用いて作製した混和剤使用コンクリート試験体の膨張特性に関して、材令24ヶ月までに得られた結果をまとめると以下のごとくである。(1)40℃、相対湿度95%以上の促進養生では、材令6ヶ月までに急激な膨張はほぼ完了し、以後24ヶ月まで微増または変化はない。(2)20℃、相対湿度95%以上では、材令6ヶ月までほとんど膨張はなく、以後に膨張が開始すると、40℃促進養生に近似した膨張速度を示し、24ヶ月でまだ膨張段階にあり、40℃よりも大きな膨張率を示すものも認められる。(3)AEコンクリートは連行空気量によって、同一単位セメント量のプレーンコンクリートよりも小さな膨張率である。AE減水剤、流動化剤を添加した場合、連行空気による効果、および単位セメント量低減効果により、ブレーンコンクリートよりも小さな膨張率である。(4)混和剤間では、構成々分による影響はほとんどないが、混和剤から持ち込まれるアルカリ量の多いものほど膨張率も大になる傾向が認められる。(5)流動化剤の同時添加とあと添加とで膨張率に大差はない。(6)またアルカリシリカ反応が進行中の段階では、空気量と膨張率の間に直線的関係は得られない。(7)いずれの条件においても、NaOHよりもNaClを添加したものの方が大きな膨張率を示す。(8)コンクリートを20℃水中に浸漬した場合に、材令9ヶ月において、Na+で32.1%、K+で21.5%の溶出率である。したがって、膨張性クラックの発生に伴って、かなりのアルカリ成分が溶出してくるものとみなされる。
PDFファイル名 012-01-1140.pdf


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