種別 論文
主題 構造体コンクリートの強度管理に関する現場実験
副題
筆頭著者 櫻井和夫(関西電力)
連名者1 竹内賢次(関西電力)
連名者2 中根淳(大林組技術研究所)
連名者3 川口徹(大林組技術研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 873
末尾ページ 878
年度 1990
要旨 はじめに
硬化時にセメントの水和熱による温度上昇を伴うマスコンクリートの構造体コンクリート強度(通常はコア強度で代表するのが最も信頼性が高いとされている。ここでは部材強度あるいは構造体強度も同義とする)が標準養生シリンダー強度(以後、標準養生強度と記す)と必ずしも等しくないことはよく知られていることである。高強度マスコンクリートの構造体強度が所定の材令までに(最長91日の範囲で)設計基準強度を確保するための具体的な現場の品質管理の方法は必ずしも確立されていない。本研究は、設計基準強度300kgf/cm2および450kgf/cm2の高強度マスコンクリートを対象に現場の品質管理方法を確立するための検討を行なっているものである。前報での研究により高強度マスコンクリートの構造体強度の発現特性に関して以下のことが明らかになっている。(1)高強度マスコンクリートの構造体強度の発現性状はコンクリートの打設時期によって異なる。(2)コンクリートの打設時期にかかわらず、部材最高温度、1週間の部材平均養生温度を補助説明変数とすることによって、標準養生強度、または水セメント比から構造体強度を精度よく推定することが可能である。(3)構造体コンクリートが履歴する温度に追従させて養生したシリンダー強度(以後、温度履歴追従養生強度と記す)と構造体強度はよく一致しており、前者から構造体強度が推定できる。これらの成果をより広範囲にわたって具体的な現場工事のコンクリート品質管理に適用することを目的として現場実験を行なった。実際の工事専用生コンプラントでコンクリートを製造して打設時期による標準養生強度、構造体強度の発現性状の違いを調べた。主な検討項目は以下の通りである。1)水セメント比と標準養生強度の関係。2)壁部材の構造体強度発現性状の再現性の把握。3)基礎マット部材の構造体強度発現性状の把握。4)構造体強度発現へのプレクーリング効果の確認である。なお、この現場実験では構造体強度は温度履歴追従養生シリンダー強度で評価した。
まとめ
今回一年間を通じて実施した実験により以下のことが明らかになった。1)専用生コンプラントでの標準養生強度と水セメント比の関係式が得られた。これによると標準養生強度の発現性状へのコンクリート打設時期の影響は予想したほど大きくはなかった。2)コンクリート製造管理の一環として実施した未だ固まらないコンクリートの水セメント比の測定結果と標準養生強度とは高い相関があり、管理手段として有効であることが確認できた。3)コンクリート打設時期の違いによる構造体強度発現性状のうち、壁部材については従来からの知見が再確認できた。基礎マット部材では冬季であっても壁部材の夏季と同じように初期強度が高く、長期強度の伸びが少ない性状を示すことが明らかになった。4)標準養生強度、計画水セメント比、あるいは実測水セメント比から構造体強度を推定するための回帰式が得られた。それぞれの推定式に用いる補助説明変数としては、壁部材では部材最高温度と一週間の部材平均温度の組合わせでよいが、基礎マット部材では打込み温度と部材最高温度の組合わせがよいことがわかった。5)夏季の構造体強度発現を有利にする上でプレクーリンクが有効であることが確認できた。
PDFファイル名 012-01-1151.pdf


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