種別 論文
主題 FRPロッドの曲げ加工部の引張耐力に関する実験的研究
副題
筆頭著者 丸山武彦(日本コンクリート工業)
連名者1 本間雅人(日本コンクリート工業)
連名者2 岡村甫(東京大学工学部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1025
末尾ページ 1030
年度 1990
要旨 はじめに
FRPロッドはPC用緊張材やRC用補強材としての引張材のほか、スターラップなどのせん断補強筋として利用する場合がある。引張補強筋として利用する場合は、従来の構造細目にしたがえばロッドの定着端部にフック等を設けることが要求され、スターラップ等に利用する場合は曲げ加工を行う必要がある。したがって、FRPロッドを補強材として実用化するためには曲げ加工部の耐力に関する情報が必要である。既往の研究によると、はりのせん断補強筋として用いたFRPロッドが曲げ加工部で破断する場合があり、曲げ半径が小さくなるほど引張耐力が低下することが報告されている。これらの研究は主として格子状FRP筋に関するものであり、繊維含有率が50〜65%のFRPロッドの曲げ加工部の耐力に関する資料はまだ報告されていない。本報告では、これらの方式の代表的な炭素繊維およびアラミド繊維FRPロッドについて、加工部の曲げ半径を3種類、コンクリート強度を2種類に変えて引張試験を行い、コンクリート中におけるFRPロッド曲げ加工部の引張耐力に関する検討を行ったものである。
まとめ
炭素繊維およびアラミド繊維FRPロッドの曲げ半径を5、15、25mmとして、曲げ加工部の引張耐力試験を行った結果、実験の範囲内で次の事項が確認できた。(1)炭素繊維およびアラミド繊維FRPロッドはすべて曲げ加工部で破断し、破断位置は引張側の曲げはじめ部分であった。これに対し、鉄筋の場合は曲げ加工部で破断したものはなかった。(2)FRPロッドの曲げ加工部の引張耐力は、加工部の曲率が大きくなる(曲げ半径が小さくなる)にしたがって双曲線的に減少する傾向がある。たとえば、より線型CFRPロッドの場合は引張強度が210kgf/mm2であるのに対し、半径25rでは約140kgf/mm2、15rでは約130kgf/mm2、5rでは約110kgf/mm2であった。(3)曲げ加工部の引張耐力の減少率は、曲げ半径、繊維の種類、加工方法等によって相違する。コンクリート強度が500kgf/mm2の場合、より線型CFRPロッドの引張強度に対する割合は、曲げ半径25、15、および5rに対して、それぞれ65%、60%、および50%程度であり、組紐型AFRPロッドの場合は、それぞれ75%、65%、および45%程度であった。(4)コンクリート強度500および1000kgf/mm2の相違が、曲げ加工部の引張耐力に与える影響はロッドの種類によって多少異なるが、高強度コンクリートの方が大きな耐力を得た。(5)曲げ加工部を経由して定着側に伝達される引張力は、曲げ半径が大きくなるにしたがって増加するが、その程度はFRPロッドの種類や曲げ加工の方法等によって異なり、AFRPが最も大きく、より線型CFRP、プルトルージョン型CFRPの順であった。
PDFファイル名 012-01-1178.pdf


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