種別 論文
主題 ポリエステルレジンコンクリートのクリープに関する温度依存特性
副題
筆頭著者 山崎竹博(九州工業大学)
連名者1 冨川邦彦(九州産業大学)
連名者2 出光隆(九州工業大学)
連名者3 渡辺明(九州工業大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1169
末尾ページ 1174
年度 1990
要旨 まえがき
骨材を樹脂のみで結合硬化したレジンコンクリートはセメントコンクリートに比べて強度の発現が早く、高強度でかつ無機酸に対して高い耐久性を示すが、その物理的性質の温度依存性が大きいため、構造用材料としての実用化が遅れている。しかし、今日、このようなレジンコンクリートの長所を利用して、地中の遮水性材料や耐酸性材料としてパイルや剛性管および壁材などへ徐々にその使用例が拡大している。一般に、レジンコンクリートは使用される樹脂によって数種類に分類されるが、本論文では、その中で実用例の多いポリエステルレジンコンクリートについて、構造用材料として必要なクリープ性状と温度との関係を調べ、適応可能な温度範囲についての考察を試みた。不飽和ポリエステルを結合材としたポリエステルレジンコンクリートは硬化剤や促進剤などの添加剤を混合することによって常温硬化し、乾燥した施工条件では現場打設も可能である。レジンコンクリートは20℃常温養生でも材令数日で800kgf/cm2以上の圧縮強度を発現するが、最終的な重合度に達するためには高温養生を施すか又は長期の常温養生を必要とする。常温硬化したレジンコンクリートのクリープ性状は高温養生後に載荷した場合とは異なり、クリープ係数がかなり大きく、載荷時の材令によってもその値が変化するなど性状の把握を困難にする原因となっている。本研究ではまず現場打設を想定し、20℃常温養生したレジンコンクリートの載荷時の材令とクリープ係数との関係および20℃での長期クリープ性状について実験的考察を行った。次いで、プレキャスト製品を想定して80℃で12時間養生した供試体を20℃〜60℃までの各10℃ごとの一定温度に維持し、クリープ荷重を圧縮強度の20%〜40%フラットジャッキの間で3レベルに保ってそれぞれ測定を行った。
まとめ
材令、温度条件、載荷応力レベル等がクリープヘ与える影響を以下にまとめる。(1)常温養生供試体の20℃でのクリープ係数は2.0以下であり、載荷時の材令が若い程大きい。このことは、樹脂の重合度の増加に連れクリープ係数が小さくなる事を意味する。(2)また、重合度が低い程、載荷応力レベルの増加に対するクリープ係数の増分は著しい。(3)材令28日(重合度86%)で載荷したレジンコンクリートの20℃における長期クリープ係数は30年後で2.0〜2.2程度と予測される。(4)高温養生を行ったレジンコンクリートの20℃でのクリープ係数は0.3程度と極めて小さく、20〜40%での載荷応力レベルの変化に対してもほぼ一定であった。(5)高温養生を行った場合でも材料温度が高くなればクリープ係数も大きくなる。この時、構造材料として使用可能な温度は40〜50℃程度と判断された。(6)この温度以下では、応力レベル40%程度までの荷重に対して安定したクリープ性状が得られるものと考えられる。以上、レジンコンクリートのクリープ性状について述べて来たが、構造材料として使用する場合、強度のみならずクリープ性状の面からも十分な養生を行うことが望ましい。
PDFファイル名 012-01-1204.pdf


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