種別 論文
主題 ファイバーコンクリートの耐久性に関する研究
副題
筆頭著者 幸左賢二(阪神高遠道路公団)
連名者1 A.E Naaman(ミシガン大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1227
末尾ページ 1232
年度 1990
要旨 まえがき
近年コンクリートの曲げ強度、引張り強度およびじん性を増すために、繊維補強コンクリートを用いる試みがなされている。繊維補強コンクリートには鋼繊維を代表として、ガラス繊維やポリプロピレンなどの合成繊維が多く用いられている。また近年新しいファイバーの混合方法としてSIFCON(Slurry Infiltrated Fiber Concrete)が注目されている。これは、従来のファイバーコンクリートにおいてはファイバーを粗骨材等と同時に攪拌するのに対して、SIFCONにおいては、まず型枠中にファイバーを充填させたのちモルタルやスラリーをファイバー間の空隙間に流し込む方法を用いる。この方法によれば従来の鋼繊維ファイバーが、体積比数パーセントしかコンクリート中に充填出来ないのに対して配合条件によっては最大20%近くまで充填することが可能である。今後ファイバーコンクリートが益々使われるようになれば、その耐久性が問題となってくることが考えられる。個々のファイバー材料についてその耐久性を実験したものは多いが、同一腐食環境下において、それぞれのファイバーコンクリートの耐久性を比較し評価した実験はない。本報告の目的は次の二点である。(1)代表的4種類のファイバーコンクリート(スチールファイバー、SIFCON、グラスファイバー、ポリプロピレン)に対して同一腐食環境下におけるその耐久性を評価する。(2)実験結果に基づく、SFRM(スチールファイバーモルタル)の劣化モデルから長期耐久性を予想する。
結論
実験および解析の結果次のことが明らかになった。(1)スチールファイバーコンクリートおよびSIFCON供試体は、6ヶ月以上促進腐食させると強度を若千減少させるとともに、じん性を大きく減少させる。(2)グラスファイバーコンクリート供試体は、塩水中に促進腐食させると強度、じん性ともに大きく減少させる。特に、80℃塩水中に4ヶ月間浸積させたものは初期ひびわれ発生と共に崩壊に至る。(3)ポリプロピレン供試体は長期の促進腐食に関わらず、強度およびじん性の低下は認められなかった。(4)実験結果および解析結果は、長期の腐食環境下のファイバーの耐久性について次のような評価となった。Good←durability→poor PFRM>SIFCON>SFRM>GFRM low←rate of deterioration→high (5)スチールファイバーコンクリートの長期劣化予想解析結果は、断面の薄い構造物は腐食による強度劣化が大きいことを示した。しかしながら、断面が厚い構造物は長期間の腐食環境下への暴露にかかわらず、強度劣化は少ないと考えられる。
PDFファイル名 012-01-1214.pdf


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