種別 論文
主題 1200キロ級のコンクリートを用いたRC柱部材のせん断破壊性状
副題
筆頭著者 中江晃彦(大阪工業大学)
連名者1 倉本洋(鴻池組)
連名者2 南宏一(大阪工業大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 357
末尾ページ 362
年度 1990
要旨 はじめに
近年、高強度コンクリートを用いた高層鉄筋コンクリート造建築物の研究開発が行われ、高強度コンクリートの普及と更なる高強度化か要望されている。しかしながら、鉄筋コンクリート(以下、RCという)についての力学的性状に関する基礎資料は、高強度コンクリートを用いたRC部材では少なからず蓄積されているものの、超高強度コンクリートを用いたRC部材としては殆どない。本研究は、建設省総合技術開発プロジェクト「鉄筋コンクリート造建築物の超軽量・超高層化技術の開発」の一環として、コンクリート強度;σB=1200kgf/cm2のコンクリートを用いた鉄筋コンクリート柱部材の実験を行い、せん断破壊性状について従来のσB=210〜360kgf/cm2程度のものとの差異を実験的および理論的に検討するものである。特に、本論では以下の2点に注目して検討を行った。(1)日本建築学会・終局強度型耐震設計指針(案)の中に示されている実用せん断設計式は、σB=1200kgf/cm2の柱材に対して、どのように対比されるか。(2)せん断補強筋係数;pu=σw/σBというせん断補強に対する指標が高強度せん断補強筋および高強度コンクリートの組合せに対しても適用することができるか。
結論
本論で得られた結論を以下に要約する。(1)試験体CA12-6-3は曲げ引張破壊、CA12-3-3は曲げ圧壊とせん断破壊の混在した破壊性状を、その他の試験体はせん断圧縮破壊性状を示してそれぞれ最終破壊を迎えた。(2)初期剛性および斜張力ひび割れ荷重は、せん断補強筋量および強度にかかわらず軸力比の大きい試験体ほど高い。なお、斜張力ひび割れ荷重は、弾性論に基づく解析によってほぼ評価できた。(3)同一軸力比の試験体では、せん断補強量が少ないほど、また、同一補強量でもせん断補強筋強度が大きいほど、最大耐力および変形能力が低く、脆性的な破壊を生じた。(4)軸力比の高い試験体では、斜張力ひび割れ発生時までの剛性は高く、斜張力ひび割れ発生後の剛性低下は大きい傾向を示した。超高強度のコンクリートを用いた柱部材においても脆性的な破壊に軸力比が深く影響していることが示された。(5)σB=1200kgf/cm2のコンクリートを用いた柱部材に対しても、普通強度のせん断補強筋を併用したものには、終局強度型指針(案)におけるB法を用いてその耐力を評価することが可能である。(6)超高強度のコンクリートを用いた場合、高強度のせん断補強筋を用いた柱部材に対し、指針案によるせん断補強筋強度の制限は有効と言えず、新たにせん断補強筋強度の上限を設ける必要がある。
PDFファイル名 012-01-2059.pdf


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