種別 論文
主題 高主筋量を有するRC柱の耐力と靱性に及ぼすX形配筋の効果
副題
筆頭著者 倉本洋(鴻池組)
連名者1 南宏一(大阪工業大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
12
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先頭ページ 387
末尾ページ 392
年度 1990
要旨
建設省総合技術開発プロジェクトに代表されるように、近年、鉄筋コンクリート(以下、RCと略記)造建築物の軽量化および高層化に対する要求が高まってきている。この要求を実現するために、梁、柱および耐震壁等の主要構造部材に対して、コンクリートおよび鉄筋等の使用材料の高強度化、またそれに伴う断面寸法の縮小化が行なわれる方向にあるが、これらが誘因となって生じる可能性のある構造上の問題が懸念される。それらの一つに、主筋の高強度化および多量化に起因するせん断破壊および付着割裂破壊の間題が挙げられる。一方、RC部材のせん断破壊および付着割裂破壊の防止に有効な構法としてX形配筋法がある。既往の研究において、X形配筋を適用したRC部材の耐震有効性は、コンクリート強度が360kgf/cm2程度までの部材に対して確認されているが、それ以上の強度のコンクリートを使用した部材に対しては不明確な点が多い。そこで、650kgf/cm2程度までの高強度コンクリートを使用した高主筋量のRC柱の耐震性能、およびそのような柱に対するX形配筋の補強効果を把握する目的で、コンクリート強度と主筋の配筋法を実験変数としたRC柱6体の逆対称曲げ・せん断実験を行なった。本論では、実験結果より、在来型配筋(以下、平行配筋という)柱とX形配筋柱の耐力および破壊性状の差異、およびそれらに及ぼすコンクリート強度の影響について考察し、X形配筋法によるせん断破壊および付着割裂破壊の防止効果を検討する。また、筆者らの提案するせん断強度式(以下、修正南式という)の高強度コンクリートを使用した平行配筋柱およびX形配筋柱に対する適用性、有効性についても併せて検討する。
結論
本研究よリ以下の事象が明かとなった。高主筋量を有する鉄筋コンクリート柱にX形配筋を適用することによって、付着割裂破壊を防止でき、耐震性能の向上を図ることができる。しかし、作用軸力を同一軸力比によって評価した場合、コンクリート強度の高い柱ほど高軸力を受けるため、X形配筋による靭性の改善効果が低減する。従って、高強度コンクリートを使用した鉄筋コンクリート柱にX形配筋を適用する場合でも、耐震性能をよリ向上させるためには、高軸力に対して拘束補強筋を適切に配筋しておくことが肝要である。X形主筋の負担せん断力と相対部材角の関係は、部材の最大強度時以前ではコンクリート強度にほとんど影響がなく、(1)式と(4)式の累加によって評価することができる。修正南式における付着割裂強度式として(13)式を提案した。この(13)式を考慮することによって、コンクリート強度が650kgf/cm2程度までの曲げ破壊、せん断破壊および付着割裂破壊の何れかを生じるX形配筋を含めた鉄筋コンクリート部材の耐力を修正南式によって適切に評価できる。
PDFファイル名 012-01-2064.pdf


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