種別 論文
主題 重ね継手を有する高強度鉄筋コンクリート柱部材の構造特性に関する研究
副題
筆頭著者 角陸純一(清水建設)
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キーワード
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先頭ページ 399
末尾ページ 404
年度 1990
要旨 はじめに
鉄筋コンクリート造構造物の鉄筋継手として、重ね継手、ガス圧接継手、および種々の機械的継手が構造物の条件に応じて適宜使用されているが、中でも、重ね継手は施工が容易であり、経済的にも優れていると言える。現行の設計規準(鉄筋コンクリート構造計算規準・解説)では、鉄筋の継手は、部材応力ならびに鉄筋応力の小さい箇所に設けることを原則とする、と規定しており柱脚のような部位での重ね継手の使用を制限している。しかしながら、施工性の面からは柱に継手を設ける場合があり、このような場合の構造特性に関する実験的検討が必要である。重ね継手に関する既往の研究は、主に曲げを受けるはり部材を対象に検討されており、曲げせん断力を受ける柱部材を対象とした実験はほとんど行われていない。一方、居住性等の要求から超高層鉄筋コンクリート造建物が建設されるようになり、それにともない設計・施工上の理由から使用される材料が高強度化される傾向にある。現行の基準では、SD40鉄筋までしか必要重ね長さが規定されておらず、それ以上の高強度鉄筋を使用する場合には、その重ね継手性状について実験的検討を行う必要がある。本報では、重ね継手を有する高強度鉄筋コンクリート柱部材の構造特性について、曲げせん断実験により検討を行った結果を報告する。
まとめ
重ね継手を有する高強度鉄筋コンクリート柱部材の曲げせん断実験を行った結果、以下のことがわかった。・継手の有無や重ね長さの影響に関し、R=1/400までの初期の性状には差異は見られないが、重ね継手を有する試験体のひびわれは継手部に集中し、重ね長さの短い試験体ほど最大荷重以後の荷重低下及び繰り返しによる剛性低下が大きい。・横筋の影響に関し、重ね継手性能への影響は最大荷重以後の性状に見られ、横筋量の多いものほど、横筋間隔の小さいものほど継手性能が向上する。また、中段筋に継手を有する場合には中ご筋を配する必要がある。・軸力の影響に関し、軸力が大きいほど初期ひびわれ発生荷重が大きくなるものの、破壊時の変形にはほとんど差異が見られない。また、最大荷重以降の荷重低下は、軸力が大きいほどその勾配が大きい。・多数回繰返し加力の影響に関し、破壊時変形や剛性低下性状等には影響は見られないが、ひびわれ状態や最大荷重以後の荷重低下性状は繰返し数の少ないA法加力と比べてひどくなるものと言える。以上のような継手性能への諸要因の定性的影響を考慮し、継手耐力式を提案したが、これは限られた実験データの範囲の評価であり、今後、さらに多くの要因について継手性能の検討を行うとともに、部材としての変形性能の検討も行う必要があるものと言える。
PDFファイル名 012-01-2066.pdf


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