種別 論文
主題 軽量コンクリートを用いたRC柱・梁接合部の実験的研究
副題
筆頭著者 遠藤芳雄(東京大学大学院)
連名者1 今川俊文(日建設計)
連名者2 小谷俊介(東京大学)
連名者3 青山博之(東京大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
12
2
先頭ページ 663
末尾ページ 668
年度 1990
要旨 はじめに
RC造建物の高層化に伴い、コンクリートの高強度化や軽量化への要求が高まっている。しかし、軽量コンクリートを用いたRC部材の実験データは少なく、鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説では軽量コンクリートの設計基準強度上限値を270kgf/cm2にしている。高強度軽量コンクリートの設計法を確立するには、部材実験により構造特性を明らかにする必要がある。本研究では、軽量コンクリートを用いた内柱・梁接合部の、梁主筋の接合部内付着性能と復元力特性に関する基礎的な資料を得ることを目的として、十字形平面柱・梁接合部3体の実験を行った。実験変数は、軽量コンクリートの強度(Lc:260、360)と梁主筋の接合部内付着特性(良、悪)である。また、普通コンクリートを用いて同等な付着特性を有する既往の柱・梁接合部の挙動と比較検討した。軽量コンクリートを用いた梁主筋の接合部内付着特性は、鉄筋コンクリート造建物の終局強度型耐震設計指針(案)・同解説に基づいて判断した。すなわち・梁降伏する内柱・梁接合部において、接合部の両端における梁主筋応力度の変化分が降伏点強度σy(kgf/cm2)に比例し、付着強度がコンクリート圧縮強度σB(kgf/cm2)の平方根に比例すると仮定すると、柱せいD(cm)と梁主筋径db(cm)の比は、D/db≧σy/μ√σBを満たさねばならない。ここに、μは梁主筋付着指標と呼ぶ比例定数である。指標μの値を小さくする程、付着強度を低く抑えていることになる。設計で必要なμの値を特に規定していないが、解説でμ=10程度を提案している。ただし、実験データの少ない軽量コンクリートについては適用外としてある。
結論
(1)試験体LC1は、梁主筋の接合部内付着が良好で、接合部入力せん断応力度が0.183σBであり、層間変形角1/15radの大変形において、接合部せん断破壊に至った。これは、普通コンクリートを用いた試験体C1とほぼ同様の実験結果であるが、試験体C1と比べると、履歴曲線の紡錘形はやせており、接合部のせん断変形が大きく、耐力低下が認められた。(2)試験体HLCは、設計時における梁主筋の接合部内付着が良好で、接合部入力せん断応力度が0.205σBと小さいにもかかわらず、層間変形角1/46radの2サイクル目に逆S字形のピンチ性状を示し、層間変形角1/23radのサイクルで接合部せん断破壊に至った。(3)試験体HLJは、接合部入力せん断応力度が0.204σBであった。試験体HLJは、試験体HLCと比べて設計時における梁主筋の接合部内付着が悪いが、履歴曲線などの実験結果には大きな差異はみられず、試験体HLCと同様、層間変形角1/46radの2サイクル目に逆s字形のピンチ性状を示し、層間変形角1/23radのサイクルで接合部せん断破壊に至った。(4)軽量コンクリートを用いた場合には梁主筋付着指標μの値を見直す必要がある。
PDFファイル名 012-01-2111.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る