種別 論文
主題 ロックシェッドの崩壊機構
副題
筆頭著者 川上英男(福井大学)
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キーワード
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先頭ページ 701
末尾ページ 706
年度 1990
要旨 はしがき
1989年7月16日午後3時半頃、福井県丹生郡越前町玉川地籍において崖崩れが発生、国道305号線のロックシェツド及びロックキーパーがそれぞれ約15mにわたって崩壊した。この際進行中のマイクロバスが崩壊したロックシェッドの下敷になり、乗り合わせていた15人全員が死亡する事故となった。崖崩れは“トップリング”あるいは"岩石なだれ"と言われ(後述)、ロックシェッドに作用した荷重は設計において想定した単体落石とは異なっていると思われる。このような事故に対しロックシェッドの破壊状況を明かにし、その崩壊機構を解明しておくことは、ロックシェッドの安全対策上きわめて重要と考えられる。本報告はロックシェッド崩壊状況調査結果の概要を記すと共に、その崩壊機構に考察を加えたものである。
結び
本報告の事故では桁、柱は部分的損陽を受けながらもその形状を保ち部材としての力学的作用を全うしたが、他方、接合部は山側支点、柱頭および柱脚受け台支壁の3箇所で破壊し、山側桁端が受け台から脱落したというのが全般的特徴である。構造物の設計には外力の的確な予想が基本となる。実荷重が想定荷重を超えた場合には破壊の危険性は免れない。しかしロックシェッドのように不確定要素の多い落石荷重に対しては構造部材の強度や靭性の確保と共に、特に桁が受け台よりはずれることのないような配慮が、生存空間の残存可能性を高める上で極めて重要と考えられる。ロックシェッドの設計に当たっては、構造形態の選択、落石荷重の想定、構造解析における力学的条件の仮定、崩壊機構の想定、構造体の靭性確保など検討すべき事項は多い。本報告がその安全対策向上への一資料となれば幸いである。
PDFファイル名 012-01-2118.pdf


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