種別 報告
主題 海水が浸透するひびわれ中の鉄筋腐食に関する基礎実験
副題
筆頭著者 黒田正信(東京湾横断道路設計部)
連名者1 下村真弘(東京湾横断道路設計部)
連名者2 森芳徳(土木研究センター)
連名者3 伊藤洋(熊谷組原子力開発室)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 453
末尾ページ 458
年度 1990
要旨 はじめに
近年、海洋においても大型のRC製構造物が多く建設されつつある。この種の構造物では、マスコンクリートとなるものが多くあり、外部拘束による貫通性の温度ひびわれの発生が懸念されるところである。さらに、これらの構造物の中には、海水面下で中空構造となるものがある。このような場合には構造物内外で圧力差が生じ、ひびわれから海水が侵入することになり、水密性の問題にとどまらず、水、塩分、酸素がこのようなひびわれを通じて供給されることによる鉄筋の腐食が問題となる。しかし、既往の多くの研究において、このような条件下における鉄筋の腐食評価を行ったものはほとんど見当たらない。本実験は、こうした背景にあって、コンクリート構造物のひびわれ中を高水圧の海水が浸透するときの鉄筋腐食に係わる基本的性質を明らかにすることを目的として、約1ヶ年の計画で通水実験を行っているものである。本実験の焦点は、1)ひびわれ幅と漏水量の経時的変化の関係、および2)ひびわれ内の流量・ひびわれ幅と鉄筋腐食の関係、に係わる基礎データを得ることにある。実験は現在継続中であるが、いくつかの興味ある結果が得られたのでここでは4ヶ月経過までの結果を提示して考察を加えることとする。また、本実験では新しい試みとして、交流インピーダンス法による腐食反応抵抗の測定を同時に行っているが、実験の途中であるため別の機会に報告する予定である。
まとめ
本実験の4ヶ月経過までの結論を要約すると以下のようになる。1)割裂ひびわれであれば、浸透流量は長期的に低減する傾向にあり、特にひびわれ幅が0.2mm以下であれば比較的早期に停止状態となる。2)腐食形態は、局部腐食型(D型)である。3)腐食は、浸漬状態にあったものより、通水状態のそれの方が著しい。4)腐食は、ひびわれ面と交わる付近で激しいが、中でも鉄筋下面(コンクリート打設時の下面、かつ流出側)で著しい。5)異形鋼棒の腐食は、ひびわれ面と交わる付近のフシ(凸の部分)で著しい。6)本実験の通水鉄筋の侵食度は、4.0×10-3〜2.63×10-1(mm/year)であり、浸漬のそれは10-2(mm/year)前後であった。また、侵食度はひびわれ幅および累積流量の増大に伴って大きくなる傾向が認められた。特に、ひびわれ幅との関係でよい相関が見られた。
PDFファイル名 012-02-1077.pdf


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