種別 報告
主題 表面塗布材の機械的性能評価
副題
筆頭著者 伊藤洋(熊谷組原子力開発室)
連名者1 西岡吉弘(熊谷組原子力開発室)
連名者2 坂口雄彦(熊谷組原子力開発室)
連名者3 清水昭男(熊谷組原子力開発室)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 585
末尾ページ 590
年度 1990
要旨 はじめに
近年、コンクリート構造物の耐久性向上・保証を目的とした対策の1つとして、コンクリート表面に各種塗布材を施工する方法が盛んに用いられるようになり、その効果や塗布材自体の性質に関する研究も数多く見られる。しかしながら、これまでのこういった塗布材に係わる基礎研究は主にひびわれが無いコンクリート面に施工したものを対象としており、下地の力学的挙動(ひびわれ発生等)を加味した研究はあまりなされていなかったように思える。例えば代表的な塗布材であるエポキシ系塗布材は、コンクリートとの接着性や材料の水密性が長期間にわたって優れていることが知られているが、下地コンクリートにひびわれが発生すると、その位置で塗布材が同時に損傷しやすく、水分等の侵入に対し何ら抵抗しないといった事例がある。このように塗布材の性能評価を行うに当たっては、材料自体の水密性や伸び率だけでなく、下地の挙動に対する塗布材の機械的性能評価を適切に行う必要があると思われる。本報告は、このような観点から、新たに考案した評価・実験法による接着性・ひびわれ追従性・背面水圧抵抗性等の機械的性能に関する実験、及び耐久性に係わる凍結融解・中性化に対する抵抗性・水密性等の実験を行い、塗布材の総合性能評価を試みたものである。その結果、有用な知見が得られたと思われるのでここにまとめて報告する。
まとめ
本実験結果に基づき、主に各塗布材の機械的性能に対し評価を加えたものを表-3に示す。ただし、表中のひびわれ追従限界値は1plyの場合であり、2〜3plyのそれについては3.(2)の実験2を参照されたい。同表より塗布材の機械的性質を概ね評価することができるが、すべての項目で優れた塗布材はなく、何らかの弱点・欠点をもっていることがわかる。つまり、塗布材は、使用目的、環境条件、コスト、重要性等の点から詳細な検討を行って最適とはいえないまでも使用目的をある程度満足するものを選定せざるを得ないことになる。傾向としては、伸び率が大きくひびわれ追従性に優れた塗布材は逆にコンクリートとの接着性に劣るといった特徴がある。これは当然のこととも言えるが、両性質ともに必ずしも過大な性能をもつ必要はなく、両者をうまくバランスさせることも可能であろう。例えば、こういった観点のみから見ると、A〜Mの塗布材の中ではFのポリブタジエン系が比較的バランスがよいと言えよう。本実験では塗布材の機械的性質に焦点を当て、独自の方法・実験によって評価を試みた。その結果、塗布材の機械的性質のいくつかを定量的に明らかにすることができた。しかし、一方では施工法や環境条件等によってもその性質が大きく変化することが示唆され、今後の研究に期待されるところである。なお、本研究は科学技術庁より「放射性廃棄物処理処分技術開発促進費補助金」を受け実施したものの一部である。最後に、本研究に御協力いただいた塗布材メーカー各位、(株)熊谷組技術研究所松村哲夫氏、石田良平氏、同原子力開発室土木技術部西山勝栄氏にお礼申し上げます。
PDFファイル名 012-02-1100.pdf


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