種別 報告
主題 織成の異なる炭素繊維メッシュ補強モルタルの引張強度について
副題
筆頭著者 林隆介(新日本製鐵第一技術研究所)
連名者1 山田寛次(新日本製鐵第一技術研究所)
連名者2 稲場伸一(鐘紡新素材研究所)
連名者3 坪内司郎(鐘紡新素材研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1043
末尾ページ 1048
年度 1990
要旨 緒言
最近、新素材繊維の建築材料への利用の研究開発が盛んに行われており、その中でも、炭素繊維(以下、CFと略す)を補強材とした炭素繊維強化モルタル系材料の研究報告が多い。上記繊維強化モルタルの補強形態は、短繊維と連続繊維に分けられ、さらに後者は、ロッドのような1次元、メッシュのような2次元、立体織物のような3次元の補強形態が考えられる。それぞれの補強形態により特徴があるが、2次元補強材は、プレハブ的で曲面補強が可能であるといった1、3次元補強形態の中間的特徴をもち、研究対象としては興味深く、応用展開の可能性が大きいと考えられる。一方、2次元補強材としては、使用するモルタル中の骨材粒径を考慮すると、組織は密なものでなく、骨材が通過できるように開口部を設けることが必要である。このため、開口部を設けた格子状の網状成形体(以下、CFメッシュと記述する)が考えられ、炭素繊維強化モルタルの研究も報告されている。しかし、織り組織の差異についての報告はない。本研究では、織り組織が相違する3種類のCFメッシュを作製し、引張に関する基礎的な物性を検討した。
まとめ
今回の検討結果から以下のことがわかった。1)CFメッシュの引張強度、弾性率は、経糸に低剛性糸を用いたCFメッシュ(b)、(c)の方が、低剛性糸を用いないCFメッシュ(a)に比べ優れている。また、緯糸方向引張加工によりCFメッシュは等方性となる。2)定着強度は、低剛性糸を用いたCFメッシュ(b)の方が低剛性糸を用いないCFメッシュ(a)に比べ低い。しかし、緯糸方向引張加工を施こしたCFメッシュ(c)は、CFメッシュ(a)の経糸方向相当の定着強度は確保できる。また、CFメッシュ(b´)、(b´´)のように低剛性糸の本数および糸使いを変えることにより、定着強度を制御、向上させることができる。3)CFメッシュ(c)と同強化モルタルの引張強度はほぼ一致する。しかし、CFメッシュとモルタルとの接着性が悪いため、クリンプがあるとCFメッシュとモルタル界面との界面破壊が進展しやすく、炭素繊維強化モルタルは、CFの引張強度を充分に発揮しないうちに破壊してしまう。
PDFファイル名 012-02-1181.pdf


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