種別 論文
主題 海洋環境に暴露したコンクリート梁中の塩分濃度の測定と鉄筋の腐食
副題
筆頭著者 小間井孝吉(金沢大学大学院)
連名者1 川村満紀(金沢大学)
連名者2 鳥居和和之(金沢大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 583
末尾ページ 588
年度 1991
要旨 まえがき
日本海沿岸にある橋梁は塩害により大きな被害を被っている。これは飛来塩分がコンクリートに浸透することにより、電気化学的な反応が生じ鉄筋が腐食することに起因する。したがって橋梁の有効な塩害対策をたてるためには、鉄筋腐食の原因である自由なCl-イオン濃度の効果的な測定と、その状態での被害状況との相関性を把握することが重要である。塩分濃度の測定としては、JCI基準案の「硬化コンクリート中に含まれる塩分の分析方法(案)」および「硬化コンクリート中に含まれる全塩分量の簡易分析方法(案)」が現在使用されている。しかし、これらの試験によって得られた塩分量は、鉄筋の主因であるセメント硬化体の細孔溶液中に存在する自由なCl-イオン濃度とどのような関係にあるかは不明である。特に、実際に実橋と同じ条件下におけるコンクリート供試体からの細孔溶液を直接抽出し、その中の自由なCl-イオン濃度を測定した例はない。本研究は、塩害対策として能登半島海岸において、3地点で暴露している無塗装および塗装鉄筋コンクリートはりを使用して、高圧絞り出し装置で抽出した細孔溶液中のCl-イオン濃度を測定し、全塩分および可溶性塩分(JCI、SC-4、SC-5)の測定結果と比較することにより各試験の適用性について検討する。さらに、急速塩化物イオン透過性試験、および自然電位分布の測定により、塩害の受ける可能性のあるコンクリートの耐久性の評価手法と塩害対策についても検討を加えている。
結論
供試体は5年経過したもであるが、橋梁本体に比べて品質管理がよく、かつ、低水セメント比のコンクリートであるため、いずれの試験結果をみても、全供試体は共通して健全であると判定され、供試体から鉄筋を取り出し確認したところ錆の発生はみられなかった。しかし、塩化物イオンの蓄積が徐々に進む中で、各種供試体の塗装効果が現れ始めている。また、含浸系塗装での塩化物イオンの浸透抑制効果や、能登半島の地域性によるその浸透度合いが明らかとなった。特に、錆の直接の原因となる自由なCl-イオンの検出のため、高圧抽出法による測定を試みたが、最初の供試体Cの細孔溶液は抽出できなかった。そこで、24時間真空中で含水させたことで供試体中の細孔溶液およびその水溶液の濃度を補正し、Cl-イオン値を求めることができる。
PDFファイル名 013-01-1098.pdf


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