種別 論文
主題 若材令で海水に接するコンクリート中の鉄筋腐食に関する一実験
副題
筆頭著者 堤知明(東京電力)
連名者1 本橋賢一(鹿島建設)
連名者2 ミスラスディール(鹿島建設)
連名者3 山本明雄(鹿島建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 651
末尾ページ 656
年度 1991
要旨 はじめに
海洋コンクリート構造物はコンクリート中の鉄筋腐食の観点から極めて厳しい環境にあり、耐久性を確保するためにコンクリートの配合、かぶり、混入塩化物量の規制等様々な配慮が図られている。養生に関しても、例えば土木学会コンクリート標準示方書においては「材令5日まで海水に洗われないように保護しなければならない」と示されている。初期養生の程度はコンクリート中の鉄筋腐食に影響し、養生期間は長いことが望ましいが、作業環境が厳しい海上での工事等では十分な養生期間の確保が難しいのが実情である。鉄筋の腐食を予測するには現実に即した養生条件下でのデータの蓄積が望まれるものの、このような研究は少ないものと考えられる。本研究は、材令5日から塩水に接し、以後1ケ月間2種類の暴露条件に置かれたコンクリート供試体中の鉄筋腐食の程度を調べたものであり、セメントの種別、混入塩化物量、水セメント比を要因として実験を行った。
まとめ
若材令で海水の作用を受けるコンクリート中における鉄筋の腐食状況を調べるために、材令5日で塩水に接し以後1ケ月間2種類の暴露条件にさらす方法で、コンクリート中の鉄筋腐食を検討した。水セメント比が40〜70%の範囲で、混入塩化物量が約0.5〜2.1kg/m3(Cl-換算)の範囲で実施した実験の結果をまとめると、次のとおりである。(1)腐食面積率はバラツキが大きいものの、混入塩化物量をセメントに対する重量比ではなくコンクリート1m3中の塩化物イオン量でとらえると、鉄筋の腐食面積率と比較的良く対応した。混入塩化物量0.5kg/m3(Cl-)においてもわずかではあるが腐食が認められた。(2)2種類の暴露条件で腐食面積率に顕著な差は見られなかったが、この原因として今回設定した乾湿繰返しサイクルでは乾燥時間内においてコンクリートの乾燥があまり進まなかったことが考えられた。(3)鉄筋近傍のコンクリートの塩分分析値と混入塩化物量の差を浸透塩化物量とみなして計算すると、浸透塩化物量は平均2.1kg/m3(Cl-)となり、水セメント比40%のコンクリートであってもかぶり25mmの鉄筋近傍まで1ケ月間にかなり多量の塩化物が浸透する結果であった。(4)塩水中に継続して浸漬する条件では、高炉セメントB種使用の腐食面積率は普通ポルトランドセメント使用に比べて大きかった。これと直接結び付けることはできないが、鉄筋近傍のコンクリート試料における可溶性塩分の全塩分に対する割合は、高炉セメントB種使用の方が普通ポルトランドセメント使用に比べて大きかった。
PDFファイル名 013-01-1111.pdf


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