種別 論文
主題 種々のアルカリ反応性物質を使用したモルタルの膨張とひびわれ
副題
筆頭著者 森野奎二(愛知工業大学)
連名者1 春名淳介(新日本製鉄)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
13
1
先頭ページ 735
末尾ページ 740
年度 1991
要旨 はじめに
アルカリシリカ反応(以下、ASRと称す)による膨張やひびわれ発生のメカニズムの解明において、天然の岩石骨材による検討では、反応性シリカ鉱物の存在形態が多様で複雑なために困難な点が多い。そこで本研究では、組成の分かっている水ガラスを反応生成物とみなして、種々のモルタルバーを作製し、その膨張挙動を調べた。ASRによるコンクリートの膨張は、反応性シリカ鉱物に水酸化アルカリが反応し、いわゆる水ガラスができて、それがセメントの遊離水酸化カルシウムなどでゲル化し、この生成したアルカリ珪酸塩ゲルの吸水膨張によるとされている。本研究では、1)膨張にゲルがどのように関与しているのか、あるいは水ガラスからゲルが生成する過程でも膨張は起こるのか、2)水ガラスあるいはそのゲルのシリカとアルカリの比率によって膨張がどのように変化するか、3)水ガラス使用の場合でも反応性岩石使用と同様に高炉水砕粉末によって反応が抑制されるか、4)シリカとアルカリの比率の相違で水ガラスの粘性やゲルの剛性が異なるが、それが供試体のひびわれや外観にどのような変化を及ぼすか、などについて検討した。なお、4)については、先に実施した岩石骨材の実験でアルカリ骨材反応を起こす供試体を水中貯蔵すると湿空貯蔵よリもひびわれが入りやすく、また、ゲルの移動状況も観察しやすいという結果を得ているので、それを応用して水道水や食塩水に供試体を浸漬し、透明の貯蔵容器越しに観察した。
まとめ
水ガラス質物質を混入したモルタルバーの膨張率測定と観察結果をまとめると次のようである。(1)モルタルバーの膨張は、水ガラスカレットおよび水ガラスゲルの混入量に比例する。(2)ASRの膨張は、アルカリ珪酸塩ゲルの吸水による膨張だけではなく、水ガラスからゲルが生成する過程でも起こる可能性がある。(3)生成したゲルのシリカとアルカリとの比率によって、膨張量に差が生じる。SiO2/Na2Oモル比が3.2〜1.5位の範囲では、SiO2/Na2Oが大きいほどモルタル膨張が大きくなる。(4)水ガラスおよびそのゲルは、SiO2/Na2Oが小さいほどモルタル中で移動しやすい。(5)水ガラス質物質も反応性岩石の場合と同様に高炉水砕粉末によって反応が抑制される。
PDFファイル名 013-01-1127.pdf


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