種別 論文
主題 アンカーの引抜きによるひびわれのひとつの解析評価手法
副題
筆頭著者 矢澤英治(鉄道総合技術研究所)
連名者1 寺島善宏(首都高速道路公団)
連名者2 山崎淳(日本大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 85
末尾ページ 90
年度 1991
要旨 はじめに
実際には3次元的挙動を示すひびわれを2次元的に取り扱った解析では、実現象としてのひびわれと挙動を異にする部分がないわけではない。筆者らが過去に行った解析では、荷重を一定とした場合にひびわれの深さ方向への進行は停止する点が見いだせるが、結果では、面内方向には停止する点が見られなくなってしまう。これは深さ方向と面内方向への進行を分離したことによって生じていると思われ、ひびわれを3次元的な現象として捉えることが重要である。また、既往の実験結果によれば、立体とみなせる構造のアンカーの引抜きによる破壊時の荷重は平板とみなせる構造とくらべ、同じ荷重負担領域あたりの力で1.5倍程度に達していると思われる例がある。ここでは、ひびわれを2次元および軸対象の3次元の現象として扱った場合の耐力の差、ひびわれの進む経路、ひびわれ成長の安定・不安定などを、アンカーの引抜きの解析で検討する。
まとめ
この解析による研究で得られた知見をまとめると次の通り。1)ひびわれ先端での主応カの方向をふたつの方法で決定してみたが、現在のひびわれの向きからの傾きが大きくなるほど、ふたつの結果に差が開いてきた。主応力の方向はひびわれの長さの影響を受けない。主応力の方向からはひびわれは水平から11.25度の方向に進む可能性が高い。2)ひびわれを進行させる荷重はある長さで最大値となる。このことから破壊面全体を基準に耐力を求めることは問題があるように思われる。ひびわれを進行させる荷重を最小とする場合、ひびわれは水平から33.75度の方向を示し、主応力から得られた結果とは一致しなかった。3)軸対象3次元の構造物の解析を行うことで、実験にみられた、3次元の場合に2次元の場合に単位領域あたりの耐力が増加しているという結果を再現できた。4)コンクリートに関する問題を解析的にとらえていくための工学的手法全般について、具体的には構造や現象をモデル化し、実際に解析計算を行い、結果を整理し利用するまでの方法と手順について、計算機の有効な利用の方法なども含めてさらに検討をすすめて行く必要を感じている。例えば今回の解析のようなひびわれの経路を定める問題などは、均質とは言えないコンクリートでは唯一の解があるとは言えない。唯一の解とは言えないその結果をどのように設計に活かすか、またひびわれの向きなどの現象や各種の影響要因をどのように解析モデルに取り込み、その進行を表現するかなどについての検討をすすめたい。
PDFファイル名 013-01-2011.pdf


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