種別 論文
主題 鉄筋コンクリートコーベルの性状に及ぼす水平荷重の影響
副題
筆頭著者 原忠勝(日本大学)
連名者1 中上和仁(日本大学大学院)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
13
2
先頭ページ 203
末尾ページ 208
年度 1991
要旨 はじめに
コーベル、橋台、橋脚頭部などによく見られる構造形式であり、部材の高さ(あるいは有効高さd)に比べてスパンaが短くa/d≦1.0の部材がほとんどであることから、鉛直方向の荷重(すなわちせん断力)の影響が大きく、せん断破壊先行型の破壊や、トラスあるいはアーチ的な耐荷機構となる。またコーベルには、鉛直荷重ばかりでなく、地震力やコーベルが支える部材の温度応力、乾燥収縮、およびクリープ変形などによって水平力が生じることも知られている。コーベルのような2軸の応力状態の影響を受ける部材では、鉛直荷重を受けるだけでも破壊様相や耐力性状に及ばす要因が複雑になるため、水平力の影響までを検討している研究はごくわずかである。また設計規準では、鉛直荷重だけの場合でも、それぞれが異なった設計法を採用しているため、より詳細な構造細目を規定することで、そこで採用した設計概念を満足するようにしているのが現状で、水平力の影響を考慮しているものは少ない状況にある。したがって本研究の目的は、鉛直荷重Vと水平力Hの組み合せ荷重下におけるコーベルの性状について検討することである。ここでは、水平荷重と鉛直荷重の比(H/V)、鉄筋量(Asbr>まとめ
以上、ここで得られた結果より、水平荷重下のコーベルの性状は、概ねトラス的な耐荷機構が成立することが認められた。しかし、これらタイ材としての主鉄筋は、全ての試験体で降伏に至ったわけではなく、主鉄筋量が多く、(pw≒1.2%)、a/dが大きい試験体(a/d≧0.5)では、主鉄筋が降伏に至る以前に、コーベル下方の柱部材との境界部付近でストラットの断破壊と思われる比較的急激な破壊を生じ、これらの試験体は耐力を失った。また最大せん断耐力は、鉄筋量やa/dが同じ場合、水平力が大きくなるにつれて小さくなる傾向を示した。これらコーベルの最大せん断耐力は、基本的にはトラス的な耐荷機構に依存するものと考えられる。しかし、水平荷重が加えられたために、その力はタイ材としての主鉄筋に流れ、タイ材の降伏によって最大耐力が支配されるとは限らないようである。その結果がストラット上の破壊であるが、この場合でも単一なストラットの破壊ではなく、ストラット圧縮部の応力状態によって、曲げせん断破壊、あるいは圧縮せん断破壊などの複数の破壊様相を示すようである。また水平力の影響を考慮していない土木学会式の場合は、H/Vが大きくなった場合、部材耐力を過大に評価する傾向がある。したがって設計水平震度の最大値付近の水平力が作用するような場合、現状では、設計せん断耐力を約50%程度低く評価しておくほうが良いように思われる。
PDFファイル名 013-01-2031.pdf


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