種別 論文
主題 RC柱部材の曲げ靭性確保のための横拘束補強筋量算定式について
副題
筆頭著者 岸本一蔵(大阪大学)
連名者1 鈴木計夫(大阪大学)
連名者2 中塚佶(大阪大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
13
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先頭ページ 327
末尾ページ 333
年度 1991
要旨 まえがき
構造物の粘り強さ(靭性)に基盤をおくコンクリート構造設計法では部材に所要の変形能力を付与することが必要であり、そのための構造技術としてコンファインドコンクリート、すなわち補強筋で横拘束されたコンクリートの利用が非常に有効であると指摘されている。しかし、所要の変形能力を得るためにはどの様な形状、太さ、ピッチなどを持つ横拘束筋を使用すればよいかは、未だ十分に明確にされていない。本研究は、曲げが卓越する鉄筋コンクリート(RC)柱の靭性確保に必要な横拘束筋量の算定式を導こうとするものである。すなわち、最近の研究で明らかにされてきた単軸圧縮応力下でのコンファインドコンクリートの応力度−ひずみ度特性を圧縮部コンクリートに適用した柱断面の曲げ解析から、横拘束筋量に及ぼす諸要因の影響を明らかにして、一次近似的な推定式を誘導する。さらに同推定式を既往の実験データによって検討・修正を加えて横拘束筋量算定式を提案し、提案式による横拘束筋量とACI、NZSコード等によるそれらとの関係について考察するものである。
まとめ
鉄筋コンクリート柱のコンファインドコンクートによる曲げ靭性設計に必要な横拘束筋量算定式を、解析的および実験的アプローチから検討した。得られた主な結果を以下に示す。1)必要横拘束筋比(ptr)に及ぼす諸要因の影響に対する解析的考察、ならびに既往の実験データによる検討から、ptr算定式(3)式を誘導した。(図3〜8参照)2)(3)式に対する考察から次のようなことが明らかになった。(a)(3)式から推定される塑性ヒシジの終局回転角(θu)は、終局部材角実験値(Ru)をほぼ安全側に評価する。(図9参照)(b)せん断破壊した柱のRuは(3)式で推定するθuより小となる傾向がみられた。(図10参照)(c)NZSコードによる横拘束筋量は低軸力下では1/20程度、また高軸力下では1/50程度の終局回転能力を与えるものである。(図11参照)本報告は、軸力と曲げ・せん断力をうけ、柱部材の変形機構が十分明らかにされていない現状において、柱部材の曲げ靭性に必要な横拘束筋量の算定式を、現状で入手できる情報をもとに誘導しようとする試みである。したがって、算定式の物理的意味や柱部材の変形機構との関連性が明確でないという不十分さはあるが、それら問題点の明確化は今後の課題と考えている。
PDFファイル名 013-01-2053.pdf


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