種別 論文
主題 鉄筋コンクリート短柱のせん断耐力に及ぼす中段筋の影響
副題
筆頭著者 蓼原真一(長崎大学)
連名者1 嶋津孝之(広島大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
13
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先頭ページ 357
末尾ページ 362
年度 1991
要旨 はじめに
鉄筋コンクリート造高層建物の下層部柱は高軸力を受けるため一般に太短い柱となる。また、一般に柱は矩形断面で、地震時にX、Y二方向の水平力により生じる曲げモーメント及び軸力を負担するため軸筋は多段配筋となっている。一方向の曲げに対して配置された軸筋以外に他方向の曲げに対して配置された中段軸筋(以下中段筋と呼ぶ。)も曲げを負担する。ところで、文献では柱のせん断伝達機構が、軸筋とコンクリート束および帯筋からなるトラス機構とせん断力を直接材端から材端へ伝えるアーチ機構の二つから成立すると仮定した柱のせん断強度式が提案されている。曲げや軸力を負担する以外に中段筋が軸筋である限りせん断ひびわれ後に帯筋ほど大きなせん断力を負担することは困難と考えられる。しかし、上記トラス機構の引張りと圧縮鉄筋の重心間距離に中段筋を考慮すれば、中段筋もせん断耐力に影響するものと考えられる。本論文では、軸力比約1/3の軸力を受けるせん断スパン比(a/D)1.0の矩形断面鉄筋コンクリート短柱のせん断実験を行い、中段筋のせん断耐力に与える影響を考察するものである。実験変数は中段筋比および帯筋比である。
結論
軸力比約1/3の一定軸力を受けたせん断スパン比1.0の鉄筋コンクリート短柱のせん断実験によって次のことが分かった。1)同一の試験体でははじめに斜張力破壊が生じ、つぎにせん断圧縮破壊が生じる。帯筋比が小さい場合には前者で最大荷重を示し、帯筋比が大きい場合には後者で最大荷重を示す。2)斜張力ひびわれせん断力は中段筋比の影響が大きく帯筋比の影響は小さい。主応力度式中の平均軸応力度と合力中心距離および有効幅に中段筋比の影響を考慮して求めた斜張力ひびわれせん断力は実験値をよく評価している。3)せん断圧縮破壊時せん断力は帯筋比の影響が大きく中段筋比の影響は小さい。中段筋比の影響を無視して文献のせん断強度式で求めたせん断圧縮破壊時せん断力は、コンクリート圧縮強度の有効強度係数を(0.8-σB/2000)として整理した実験値をよく評価している。さらに、帯筋比を0.447%以上とすればさらに上記評価式の精度は高まる。
PDFファイル名 013-01-2058.pdf


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