種別 論文
主題 高流動コンクリートの充填性に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 藤原浩已(日本セメント)
連名者1 下山善秀(日本セメント)
連名者2 富田六郎(日本セメント)
連名者3 久保田裕康(日本セメント)
連名者4  
連名者5  
キーワード
14
1
先頭ページ 27
末尾ページ 32
年度 1992
要旨 まえがき
近年、建設現場やコンクリート製品工場においては、現場作業員の不足や高齢化からコンクリート作業の省力化が望まれている。また、コンクリート作業に伴う振動機の使用は騒音をもたらし、作業環境の悪化や近隣に対する配慮からの操業時間の制約などの原因になっている。この様な情勢から、これまでに一般的に用いられていた軟練りコンクリート(スランプ約18〜20cm)より、さらに軟らかくして(スランプ25cm以上)流動性を高め、振動を加えなくても型枠の隅々まで詰る、いわゆる自己充填性をもつ高流動コンクリートを実用化しようとする研究開発の動きが活発化している。高流動コンクリートを得るための1つの基本的なコンセプトは、流動化剤の高添加による高流動化技術と増粘剤等による材料分離抑制技術をバランス良く用いることにある。本研究は高流動コンクリートが成立するためのフレッシュ状態における基礎的な性状を把握することを目的とした。実験はコンクリートをモルタルと粗骨材の2相系と考え、まずモルタル部分について増粘材量を変化させることによって変るレオロジー的性質(塑性粘度、降伏値)を把握した。次に、これらのモルタルと粗骨材の容積割合を、通常のコンクリートの配合範囲(細骨材率換算で48〜60%)で変化させたコンクリートについて、流動性、不分離性および充填性を評価し、モルタルのレオロジー的性質と、粗骨材量の面からの解析を行ったものである。
まとめ
振動による締固めを行わなくても型枠内に充填する高流動コンクリートの基礎的な性状を把握することを目的に、コンクリートをモルタルと粗骨材の2相系と考え、モルタル部分のレオロジー的性質と粗骨材体積濃度を変えて流動性・不分離性および充填性の評価を行った。その結果、今回の実験の範囲内ではあるが、不分離でかつ高充填性を有する高流動コンクリートが成立するためのモルタル部分の降伏値と粗骨材体積濃度の範囲をある程度明らかとすることができた。今後さらにコンクリート打設高さ、配筋条件が及ぼす充填性への影響やコンクリート流動時における不分離性等について検討を行い、より広範な条件下における不分離性、充填性に優れる高流動コンクリートが成立するコンクリート組成の範囲等を明らかにする必要がある。
PDFファイル名 014-01-1001.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る