種別 論文
主題 シリカフュームを混和した吹付けコンクリートの物性に関する一実験
副題
筆頭著者 本橋賢一(鹿島建設)
連名者1 山毅彦(鹿島建設)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
14
1
先頭ページ 347
末尾ページ 350
年度 1992
要旨 はじめに
シリカフュームを混和した吹付けコンクリートが北欧・北米のトンネル工事に盛んに適用されてきており、その理由は圧縮強度の増大、はね返りの低減、一回の吹付け厚さの増大等にあると報告されている。ノルウェーにおいては、岩質が良好なトンネル工事の永久覆工に流動化剤を用いた鋼繊維補強シリカフューム混入吹付けコンクリート(配合の一例として、骨材最大寸法8mm、単位セメント量470kg/m3、シリカフューム38 kg/m3、鋼繊維50〜75 kg/m3)が湿式工法で施工されている。一方、わが国においても吹付けコンクリートはトンネルの一次覆工に広く適用され、道路トンネルにおけるその標準的な配合は、設計基準強度180 kgf/cm2に対して単位セメント量360 kg/m3である。本報文は、このトンネル一次覆工吹付けコンクリートを対象としてシリカフュームの混和効果を検討したもので、単位結合材量360 kg/m3、水結合材比55%、セメント鉱物系急結剤使用の条件で、セメントに対するシリカフューム置換率を0、5、10%に変化させた配合をパネルに吹付け、このパネルから切り出した試験体の圧縮強度、耐凍害性及び中性化について調査した結果を報告する。
まとめ
道路トンネルの一次覆工用吹付けコンクリートとして標準的に使用されている単位結合材量が360 kg/m3の配合に関して、シリカフューム置換率を0、5、10%として吹付けコンクリートの物性を調査した。実験結果をまとめると以下のとおりである。1)急結剤を必要とする吹付けコンクリートでは、シリカフュームの混和の有無にかかわらず材令28日以降の強度増進が小さい。材令28日圧縮強度はシリカフューム無混和で403 kgf/cm2、置換率5%で455 kgf/cm2であったが、対象構造物の設計基準強度が180 kgf/cm2であることを考慮するとこの強度差は重要とは考えられない。2)耐凍害性はシリカフュームの混和の有無にかかわらずあまり良好でない。3)中性化速度はシリカフュームの混和によって早まる。以上のとおり、単位セメント量360 kg/m3の配合でセメントの一部をシリカフュームで置換するという方法では、吹付けコンクリートの物性はほとんど改善されないことが確認された。今後、吹付けコンクリートの用途にシリカフュームを有効に利用していくには、はね返りや粉塵の低減を追求するか、あるいは若干のセメント量の増量と高性能AE減水剤の併用によってより高強度・高耐久性が求められる構造物、例えば永久覆工等への適用を検討することが妥当と考えられる。
PDFファイル名 014-01-1057.pdf


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